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2017年2月13日

ダグル・シグルドソン日本男子代表新監督が就任記者会見

2月13日、東京・岸記念体育会館で、日本男子代表のダグル・シグルドソン新監督就任記者会見が開かれました。

シグルドソン監督のほかに渡辺佳英日本協会会長、多田博副会長、蒲生晴明副会長兼専務理事、田口隆強化本部長が出席。テレビを含め、多くのメディアが集まり、注目度の高さをうかがわせました。

 

初めに渡辺会長から「昨年のリオデジャネイロ・オリンピックには極めて残念ながら出場できなかった。この悔しさをバネに、2019年の熊本世界女子選手権、20年の東京オリンピックではメダルを取るぐらいの実力があるハンドボールをしたい、ということで模索をしている。その一環で、シグルドソン氏を男子代表の監督に招へいした。ぜひ東京で男子代表がメダルをとるようなチームに育て上げていただきたい」という言葉がありました。

 

続いて蒲生専務理事が「リオデジャネイロ・オリンピックでは、ハンドボールは日本で唯一出場できなかった競技だった。背水の陣をしき、私が就任したあと、男子代表の監督をカルロス・オルテガ氏からだれに引き継ぐかということでいろいろと模索してきた。熊本、東京では開催国枠として出場が決まっており、この機会に世界でなんとか結果を出すために、今回、2015年に『IHFコーチ・オブ・ザ・イヤー』に選ばれたシグルドソン氏を招へいした。彼はヨーロッパでもトップクラスの監督なので、ビッグクラブやほかの代表チームからもいろいろなオファーがあったようだ。その中で日本と合意し、今日に至った。本当に日本通で、日本語も少し理解するし、日本のことをよく知っている。なんの心配もしていない。今後は代表チームの強化、それから指導者の強化、日本の強化システムの改善などに手腕を発揮してもらえるように、田口強化本部長と密に関係を築きながら、強化を進めていきたい」と、シグルドソン監督と契約に至った経緯などについて説明があり、シグルドソン監督にマイクが渡されました。

 

まずは日本語で「初めまして、私はダグルです。アイスランド人です。2月から日本代表監督です。よろしくお願いします」とあいさつがあったあと、英語で「質問があればぜひ英語でどうぞ」と笑いを取ってから質疑応答がスタート。

まずは日本語であいさつをし場を和ませたシグルドソン監督

まずは日本語であいさつをし場を和ませたシグルドソン監督

 

選手の選考に関しては、「(今年1月に行なわれた)世界選手権の日本の試合はすべて分析している。先週末の日本リーグに足を運んだし、今週末の試合もすべて見る。そこで全チームを見る予定で、さらに日本リーグのすべての選手を分析して、4月に初めのメンバーを指名する予定だ」と話しました。

特定の気になる選手はいるか、という質問には「ゼロから始める。すべての選手をチェックする。名前や実績は問題ではない」と横一線のスタートを強調。

このオファーを受けた理由については「すでにクラブチームと代表をあわせてドイツで8年間指揮をとった。だから新しい挑戦を探していた。それに東京でオリンピックが開かれる前から日本代表チームには興味があった」と話し、「(このミッションが)大変だということはわかっている。日本のハンドボールが正しい道に進むためには多くを変えなければならず、それはとても難しく、時間がかかることだ」と話しました。

日本の選手に足りないものとして「大きな問題は、フィジカル面と、大きなプレッシャーがかかる状況下での経験が足りないことだが、ハードワークすることと、正しいメンタリティー(を身につけること)で日本は変われると思う」。

 

目標としては「まず安定してアジアでトップ3に、そしてヨーロッパ以外のエジプト、チュニジア、カタール、アルゼンチン、ブラジルなどの中でトップ5に入ることが初めの挑戦」で、めざすスタイルについては「私は3年間日本(湧永製薬)でプレーしていたし、日本のハンドボールを知っている。私のアイディアとして、自分の哲学と日本ハンドボールの哲学をミックスし、速くてモダンなハンドボールを作り上げたい」と話しました。

会見をとおして、まだ具体的なことはこれからとしながらも、日本の現状を理解しており、それを踏まえながら自分のスタイルとの落とし所を見つけ、変えるべきところは変えていこうという狙いがうかがえました。

また、選手選考に関しては、上記のように「横一線」であること、「日本リーグのすべての選手をチェックすること」、そして、「選手には100%を求める。うまくなりたいという選手だけがほしい。いまが幸せだ、という選手は必要ない」という言葉からわかるとおり、すべての選手にドアは開かれているが、現状に満足している選手は実績にかかわらず呼ばない、という姿勢を鮮明に示しました。

渡辺会長(左)、蒲生専務理事(右から2人目)、多田副会長(右)とがっちり握手をかわした

渡辺会長(左)、蒲生専務理事(右から2人目)、多田副会長(右)とがっちり握手をかわした

 

現在、日本語を勉強中ということで、囲み取材中には「今日は暑い、明日は寒い、ちょっと雪、冬。いま私は疲れている。頑張っている。いつも勉強ね」「3月は奥さんといっしょに来ます。こどもは3人。19、17、14才」「日本食は大好き。すし、天ぷら、ラーメン、ギョーザ、しゃぶしゃぶ、全部すごい!」と日本語で話してくれたシグルドソン監督。

立ち居振る舞いはスマートな一方で、サービス精神があり、人間的な魅力も垣間見えた会見となりました。

今週末の日本リーグ男子の会場に足を運べば、彼の姿を目にすることができるかもしれません。

 

シグルドソン監督の初陣は、ヨーロッパの強豪クラブチーム・キール(ドイツ)との親善試合(7月)になる予定です。


カテゴリー: 日本代表
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