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2017年3月19日

第41回日本リーグは最終決戦へ 男子プレーオフ準決勝

3月18日、東京・駒沢体育館にてANA CUP 第41回日本ハンドボールリーグプレーオフ(男子)の準決勝が行なわれました。

 

結果は以下のとおりです。

大同特殊鋼 25(11-10、14-10)20 湧永製薬

大崎電気 29(17-12、12-13)25 トヨタ車体

 

第1試合は、レギュラーシーズン1位の大同特殊鋼と4位の湧永製薬の対戦に。試合序盤はどちらも譲らず8分4-4と拮抗するものの、14分6-5と大同1点リードの場面から、野村、東江、藤江で3連打した大同が一気に9-5として主導権を握りました。それでも湧永は、前半終盤立て続けに退場者を出した大同のスキをついて点差を縮め、10-11と1点ビハインドで後半へ。後半開始早々に、東江の7mTで同点に追いついた湧永でしたが、逆転打が生まれず、再び大同が勢いを増します。エース東江が後半だけで7得点と気を吐き、湧永を突き放していくと、25-20で大同が勝利。準決勝突破を決めました。

 

マークが厚くなる中でも強気の姿勢でエースの役割を果たした大同・東江

マークが厚くなる中でも強気の姿勢でエースの役割を果たした大同・東江

 

湧永・志水は気迫のセーブでチームを援護した

湧永・志水は気迫のセーブでチームを援護した

 

【大同特殊鋼コメント】
岸川監督「DFがよく機能した。やっぱり、千々波がよくリードしてくれている。OFは東江がよく間を割ってくれた。でも、足が止まる場面もあったし、明日に向けて修正していかなければいけない。チームワークが大同の持ち味。どれだけ優勝に向けて全員のベクトルを合わせていけるか。

勝てたことが一番。60分間全力でやって1点差でもいいから勝とうと話していた。今日の試合はスローペースで、大同らしく攻撃回数を増やしていこうと話して、(後半)なんとか持ち直したが、反省すべき点は多い。決勝前に課題が出てよかった。大崎は速攻のチームだから、バックチェックをしっかりしてこっちのペースに持っていきたい」

キャプテン・千々波「勝てたけど、内容的にはあまりよくなかった。自分たちはやっぱりDF。失点は20点だったけれど、(湧永の)成田を厚く守ろうと言っていたのに、簡単に打たれてしまった。全体的にスローペースで、湧永のリズムに飲まれていたと思う。ただ、その中でもDFで足を動かしてよく粘った。GKもよく止めてくれた。明日は後悔のないよう戦いたい。チームワークで勝つ」

両チーム最多9得点の東江「まず、勝てたことが素直にうれしい。ただ、OFはつながりがなくぶつ切りの展開が多かったかなと。もっとみんなでボールを回して前を狙っていかないと。自分やポストにマークが厚くついて前半はなかなか攻め切れなかったけど、藤江さんがディスタンスシュートやカットインでDFの間を割って間を広げていってくれたので攻めやすくなった。社会人になって初めてのプレーオフだが、明日の決勝は自分たちのペースで戦いたい」

センター・藤江「対策としては、相手のペースに合わせないように最初からいつもどおり戦おうと意識した。中盤ズルズルしてしまったりつらい時間帯はあったが、試合の中で修正できた。OFはかみ合えばすごい。だからいかにそうした力を引き出せるか。相手DFの間を狙うのはいつもどおり。この1年、東江とだいぶコミュニケーションをとってきたので、いい動きができている。あうんの呼吸ではないですけど、(コンビネーションの)応用もできている」

プレーオフに強い左腕・野村「全体的にOFのミスが多かったが、その分、バックチェックを徹底するなどしてDFはいつもどおり安定できた。

(後半1発目を守れたのは大きかったのでは?※湧永がサインプレーから佐藤のバックパスでポストに通すも野村がうまく守ってフリースローになったシーン)あれは完全にプレーを読んでいたというよりも中央から打たせないことを意識していて守れた。あそこで守れたのは1つのターニングポイントだったと思う。前半はロースコアだったが、後半から速攻で押すことを話していた。粘り強く戦えばチャンスは必ずあると。

明日は去年の負けを返すだけです!」

守護神・久保(侑)「(明日に向けて)自分の持ち味は、ノーマークとダイナミックなキーピング。そこをしっかり出せるようにしたい。試合の中で、キーポイントを押さえながら、(今日みたいに)ストレスをためずに戦いたい。力をすべて出して優勝する。そのための準備をしっかりして臨みたい」

【湧永製薬コメント】
キャプテン・志水
「前半は1点差だったが、(大同の)野村に何本か真ん中からやられていてイヤな感じがしていた。そこでもう少し前から当たっていく形に修正するということで後半に入ったが、それが徹底できず、藤江や東江を止められなかった。相手の確率のいいところで打たせてしまった。こういう試合では、いかに速く修正できるかが試合を決める」

ポスト・今井「後半の勝負所で5点リードされ、大同に余裕を持たれてしまった。相手の退場機も攻め切れなかった。勢いに乗ればのというところで、ミス→失点の悪い流れになってしまった」

第2試合は大崎電気とトヨタ車体が激突しました。レギュラーシーズンは2試合とも大崎に軍配が上がっており、その優位性を大崎は試合序盤から発揮。キャプテン岩永の先制点を皮切りに東長濱の2連打が決まり3分3-0とリードすると、13分7-6から速攻などで5連続得点し12-6と車体を大きく突き放しました。17-12で迎えた後半も開始早々に、エース信太が退場するも、GK木村の堅守を中心にしっかり相手の攻撃を阻止。さらに2点を加えて後半3分には19-12とこの試合最大の7点差をつけました。しかし、そこから車体が3度の2連取と1度の3連取で猛追。20分には21-23まで迫りました。しかし、車体はあと一歩が届かず、前半のリードを活かしながら最後まで落ち着いてプレーし続けた大崎が29-25で逃げ切りに成功。大同の待つ決勝戦へと駒を進めました。

 

大崎は得意の速攻などで試合序盤から主導権を握った(写真は元木)

大崎は得意の速攻などで試合序盤から主導権を握った(写真は元木)

 

車体は渡部の連打などで終盤に大崎を猛追するも及ばず

車体は渡部の連打などで終盤に大崎を猛追するも及ばず

 

【大崎電気コメント】
岩本監督
「決勝に進めたことはよかった。前半はしっかり自分たちらしくできたけれど、後半に入ってOFが少し停滞してしまった。でも、年末の日本選手権だったりリーグ戦でも競った試合が多くて、ファンのみなさんや記者さんはハンドボールを存分に楽しんで観ていただいたと思うが、できるだけ点差をつけて勝ちたかった。後半OFが少し停滞して、選手自身が動けていないところがあったから、タイムアウトをとってフォーメーションの指示をだした。いつも選手が考えてやってくれているけれど、自分たちでやろうとしても出せない時もある。だからタイムアウトをとって気持ちを切り替えさせた。それで、もし点が取れなくても、もう一回しっかり守ればいいんだと伝えた。

プレーオフまでの間は、ハンドボールの4つの局面OF、DF、バックチェック、速攻の精度を上げていこうと、トレーニングに取り組んできた。明日は相手のDFシステムがまた違うけれど、自分たちらしさをしっかり出すだけ。今日のためだけの準備をしてきたわけではないので、明日もしっかり勝ちたい」

キャプテン・岩永「前半は速攻もたくさん出てよかったが、後半は前半の点差を守りに入ってしまったのか、あまりよくなかった。それでも、(大崎CPが)5人の場面でもGKがしっかり取ってくれたりして、なんとか逃げ切れた。1点差になったらやばいねとはベンチで話していたが、東長濱がワンマン速攻で得点して切り抜けたし、リバウンドやルーズボールもしっかり取れていた。こういうところを継続してできたのがよかった。明日も大崎らしいDFから速攻の流れで戦い、千々波中心の(大同)DFのセンターラインを崩していきたい」

守護神・木村「前半は同点くらいで、後半に突き放そうと話していたが、前半5点リードと予想外の展開だった。後半は追い上げられた中で、僕がしっかりシュートを取ったのもあるけれど、みんながここで一本ほしいというところできちんと決めてくれた。DFでもここで勝負しようと言っていたことをきちんとやってくれて、DFと連携して取れた。門山さんのいいコースのシュートが入ってしまったりしたけど、それはもう仕方ないと思いながら、取るべきところを徹底できた。

明日に向けては、最終局面はやっぱりエースが打ちに来るから点差を詰められやすい。だからポスト朴重奎、東江をいかに守るか」

スタートからDFで起用されたルーキー・小山「前半の序盤はよかったけど、途中から(前に)出なくてもいいところで出てしまったり、少し動きすぎた。試合に出るということは今日の朝言われた。緊張は先輩たちが雑に声をかけてくれたのでいつもどおりいけました。試合前の暗転している間に信太さんが大きな声出したりですかね(笑)。DFで意識したことは自分が起点になって運動量を出すこと。そうして周囲もうまく動かせたらと。

(OFのイメージが強かったけどDFもできるんですね)
DFはボールに触らない分、自由に動くことができる。歩数も気にすることがない。駆け引きを意識していて、それはOFもいっしょ。岩本さんからは『自分から仕掛けろ!』と言われていた。駆け引きは練習前の遊びでちょっとしたところからやっていったのがうまくいっているのかもしれない。(決勝では)自分がどうこうしようとは思わず、変に気負いすぎないようにしたい。後半の立ち上がりはちょっと失敗したので、そうしたことをなるべくないように。

(同じルーキーの東江とのマッチアップは)最優秀選手の胸を借りるつもりで戦います!(笑)。東江を1人で守るのではなくみんなで守れるようにしたい」

右サイド・元木「気持ちが全面的に出ていた試合。昔は気持ちが出過ぎていたけど、今は一体感がある。プレーだけでなく、心も。ルーズボールを取る練習もしている。ルーズボールを取れれば、運もこちらにくるので。

(明日の決勝は)
いつもどおりのプレーをして勝ちたい。DFでは助け合いの精神が必要。あとはポストをいかに守れるか。ノーファールでなるべく退場を避けたい。DFはつねに考えてプレーしている。今日の試合では戦略的に迷わないようにした。1と2のプレーを用意して、失点した時はこれがダメだった、あれがダメだったとやられた原因を明確にして、意思疎通している。だからDFがすごくいいと感じる。決勝ではDFからの飛び出しを意識していきたい」

ポスト・小室「(大同は)DFは5:1でくるはず。DFを中心に組み立てて、速攻に持っていく形は自分たちと同じ。車体とはシステムが違うので、そこにはうまく対応していきたい。DFを崩す時間が長ければいい。5:1DFにはまらないようにしたい。大同はプレーオフで強いけれど、負けないように。試合では、プレー面でも、気持ちの面でも熱さと冷静さがないといけないと思う。自分が熱さと冷静さを持って、精神面でも、プレー面でもBP陣を助けていきたい」

【トヨタ車体コメント】
キャプテン・藤本「試合を通して決めるべきところで決められなかったことが一番。リーグが終わってプレーオフまでの間にやってきたことを出せた部分もある。それを試合を通して出せるようにしないと。ノーマークシュートまでは持っていけているので、そこを決められるか。う〜ん。本当に悔しい…」

5得点と気を吐いた門山「OFの流れを理解できずにプレーしている選手がまだ多い。シーズン初めのタイトルを2つ取れたのは課題が表面化していなかった部分もあって、そこを研究されて後半苦戦してきた。若い選手たちも痛感したと思う。それがいい方向に来季いけば」

今季で引退の左サイド・崎前「前半からシュートが決まらず、リズムを作れなかったが、後半、チームとしてはよく立て直した。最初から後半のようなゲームができれば…。悔しいけれど、みんなよくやってくれた。後輩たちの意欲も見られた」

 

そして本日いよいよ決勝戦が行なわれます。

組み合わせは大同-大崎。

前々回まで4連覇し、プレーオフでの勝負強さが光る大同は、昨シーズンから無冠ながらレギュラーシーズンは1位通過と調子も上々で、王座奪還を狙います。一方の大崎は、前回王者であり、今季は昨年末の日本選手権で接戦の末、優勝。その勢いを背に、今回はチーム史上初の連覇に挑みます。

 

決勝戦は本日13時15分スローオフ。

試合の模様はJSPORTSで生中継されます。テレビはもちろん、オンデマンド会員の方はPCから無料で視聴可能です。スケジュールは→ http://www.jsports.co.jp/search/sys/kensaku.cgi?kwd=%A5%CF%A5%F3%A5%C9%A5%DC%A1%BC%A5%EB


カテゴリー: JHL
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