2019年6月20日
東京・アリーナ立川立飛で行なわれた令和初の日韓定期戦。男子戦は日本代表・彗星ジャパンが35-27の快勝を収め、会場に詰めかけたファンとともに宿敵撃破を喜びました。
ケガの渡部らがベンチ外になった日本は、右サイドに元木、左サイドに土井を起用し、ポストに酒井、バックプレーヤーに吉野、東江、徳田を送り出しました。DFは東江をトップに据えた5:1DFを敷き、フルバックには197cmの笠原。23才の坂井がゴールを守りました。
東江のシュートで先制した日本は、GK坂井の7mTセーブもあり、8分5-2と先行します。韓国もポストを軸に攻めてすぐに追いつくと、一進一退の攻防が続き、12-12の同点で折り返します。
後半に入ると、日本はDFシステムを変更。立ち上がりすぐに笠原、玉川が中央に入る6:0DFにチェンジし、GKに代表デビュー戦となる岩下を投入します。するとこのシステム変更が奏功します。16-15と1点リードした5分、タイムアウト明けの韓国のミドルシュートをGK岩下が右足で弾き返します。これで流れに乗った日本は、東江のステップシュートに始まり、元木のサイドシュートなどで一気に20-15とリードを広げます。
クイックスタートなどで前掛かりになった韓国に対して受け身になり、3点差に詰められる場面もありましたが、1月の世界選手権後から取り組んできているメンタルトレーニングの効果もあり、日本はそこであわてることなく冷静に対応。スティールやターンオーバーから元木らの速攻で加点し、リードをさらに広げていきます。
後半だけで23点を奪った日本が35-27で韓国を下し、令和初の日韓戦で勝利しました。韓国のメンバーがやや落ちていたことを差し引いても会心の内容と言えるでしょう。
シグルドソン監督は「選手たちのパフォーマンスには満足している。DFもOFも速攻もバックチェックもどれもよかった。後半、勝負を決めるようなシーンでもリラックスしてプレーしていた」とコメント。キャプテンの土井も「みんなの応援があってこその勝利。勝つためにやってきたことが結果につながった」と声を弾ませました。
▽日韓定期戦2019
日本 35(12−12、23−15)27 韓国
【得点者】9点:吉野、東江、7点:元木、5点:徳田、3点:土井、1点:信太、玉川
快勝の余韻に浸りたいところですが、次の日(20日)にはJAPAN CUP2019のスウェーデン戦が控えています。シグルドソン監督は「わずかな時間しか休めずに次の試合を迎えるのは、国際大会でも同じ。もう1度、集中して戦いたい」と気持ちを引き締めなおしていました。
彗星ジャパンは、JAPAN CUP2019でスウェーデン代表と対戦。第一戦は20日19時、第二戦は22日13時スローオフです。
以下、選手採点、寸評。
【選手採点・寸評】
No.3 柴山裕貴博(RW) -
試合終盤にコートに立ち代表デビューを飾るも、シュートチャンスは訪れず。
No.5 酒井翔一朗(PV) 3
攻守で身体を張ったプレーが好印象。無得点に終わったが、後半には力強いポストプレーで7mTを獲得した。
No.10 杉岡尚樹(LW) -
土井が好調だったこともあり、コートに立てた時間は終盤のわずか。
No.11 東長濱秀希(BP) -
出場時間は元木、徳田が退場時のみと短かった。もう少し見たかった。
No.12 岩下祐太(GK) 4
初の代表戦も臆せずプレーし、韓国撃破に貢献。DFとよく連携してミドルを止め、後半9分には土井の速攻をアシスト。
No.13 笠原謙哉(PV) 4
相手ポストに手を焼く時間帯もあったが、5:1、6:0ともに要としてDFを支えた。
No.15 部井久アダム勇樹(BP) 3
放った2本のシュートはいずれも決められず攻撃面ではよさを出せなかったが、5:1DFのトップに入った守備面は及第点。
No.19 徳田新之介(BP) 4
やや突っ込み過ぎた場面もあったが、手詰まりになりかけたシーンでシュートをねじ込むなど、存在感を示した。
No.21 土井レミイ杏利(LW) 5
キャプテンとして臨んだ日韓戦では心技でチームをけん引。長い滞空時間を活かし、シュートフェイクから決めた9点目は会場を湧かせた。
No.22 坂井幹(GK) 3
スタートからゴールマウスを守り、序盤の7mTセーブなどでチームを加速させるも、後半立ち上がりにケガでベンチに退いた。
No.24 信太弘樹(BP) 3
チームメイトの元木と抜群の連携を見せる。前半に回り込みのミドルをアシストすると、後半は下がったDFを見逃さずに打ち抜いた。
No.25 元木博紀(RW) 5
速攻、サイドと右サイドを制圧。回り込みからのミドルシュートも決めるなど、相手GKを手玉に取った。速攻に行く判断も素晴らしかった。
No.27 玉川裕康(PV) 4
6:0DFの中央に入り、高さを活かしてミドルシュートを次々にシャットアウト。味方のクロスアタックのカバーにもよく走った。
No.29 岡元竜生(PV) -
5:1DF時に2枚目に入り、守りを固めた。後半はシステム変更により出番は訪れず。
No.31 吉野樹(BP) 5
鋭いミドルシュートで東江とともに最多9得点。引っ張り上に決めた21点目のシュートはワールドクラス。
No.33 東江雄斗(BP) 5
文句なしのマン・オブ・ザ・マッチ。ゲームをコントロールしながら、強烈なステップシュートなどでゴールネットを揺らした。
※背番号、名前(ポジション)、採点(5点満点)、寸評の順