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2016年3月3日

日本女子代表が練習を公開 リオへのラストチャンスに挑む

3月2日、東京・ナショナルトレーニングセンターにて日本女子代表が公開練習を行ないました。選手たちは、3月18~20日にフランスで開催される世界女子最終予選(OQT)でのリオデジャネイロ・オリンピック出場権獲得に向けてトレーニングに励んでいます。

 

日本リーグ真っ最中というハードな日程ながら、疲労の色を見せず、短期間の練習で多くのことを吸収しようとお互いに声をかけ合い、盛り上げながら練習に取り組んでいました。

キャプテン石野はボールのへの執着心の強さ見せプレーでもチームを引っ張る

キャプテン石野(写真中央)はボールのへの執着心の強さ見せプレーでもチームを引っ張る

 

取材日の練習は、OF中心のメニューに。対戦相手であるヨーロッパ勢のフィジカルの強さなどを想定し、強いコンタクトを受けても強引に突破したり、相手の自由な戦術に対応できる判断力の強化に重点を置いていました。

 

激しいコンタクトの中でも強引に攻め込む横嶋(彩)

激しいコンタクトの中でも強引に攻め込む横嶋(彩)

 

OQTで日本(世界選手権19位)が戦うのはチュニジア(同21位)、オランダ(同2位)、フランス(同7位)の3チーム。オリンピック出場にはこの中で上位2チームに入ることが条件となります。格上のオランダ、フランスとの戦いが焦点となりますが、栗山雅倫監督は「フランスは時に爆発力のあるチームでOFもDFも自由なスタイル。でもまだ粗さがあるのでそこをどうついていくかというところ。フランスとは対戦経験があって我々の戦い方を知っている。その対応を上回っていく力が必要。それができなければオランダとも勝負できないと考えているのでフランス戦がもっとも重要」と言うように、フランス戦がキーになると考えているようです。

 

今後は3月6日までNTCで合宿をしたのち、6日からはハンガリーに遠征し海外組の石立、田邉、亀谷も合流して最後の調整に入っていきます。

 

以下、監督、選手のコメントです。
【栗山雅倫監督】
「アジア予選では、これまで、これほどまでに声援を受けたことがあっただろうかというような雰囲気の中で戦わせてもらった。そこで充分に準備していったものの、韓国がそれを上回る戦いぶりで大敗を喫してしまい、次へ切り替えるまでにもっと時間がかかるかなと思っていた。その直後に、世界女子選手権(デンマーク)があり準備期間が短い中で、アジア予選後、最初に熊本で合宿をやった際に、ハンドボールの関係者やファンの方々の温かい言葉や気持ちをいただき、元気な合宿を行なうことができた。まだまだチャンスはあるんだと選手たちも切り替えてくれた。難しかったのは、韓国に特化してきたことをヨーロッパにすぐに適応させるという点。その中で自分たちが得意とするプレーに信念を持って取り組めたのがよかったし、今、若い選手たちが非常に思い切りがよく、チームの状況としては上向き。(今回の合宿では)日本リーグ中ということもあり集まった日は疲れもあったが、それ以上に気持ちの面で充実が見られた。
(対戦相手の)情報は得られている。それに対する対策の落とし込みは短期間なのでギリギリになると思う。相手に対してどうするかだけでなく、それに対して自分たちがどう戦えるかというところが、対策以上に大事。今日観ていただいた練習では相手を想定しながらも、自分たちの機能を高めるというところに重点をおいた。それをやりながら、対策をはめていきたい。
(OQTは)ホームでない分、昨年10月のアジア予選で受けたような、大変なあと押しはいただけないかもしれないが、思い切ってやっていきたい。地元のフランスと戦う時は、相手に大きなプレッシャーがかかると思うので、その点を逆手にとっていこうと思っている。ヨーロッパ相手だからこそトータルモビリティーが重要。2013年の世界女子選手権(セルビア)から戦えるキッカケはつかんできた。今日のトレーニングもそうだが、それだけでは勝てないので局所の強さを大変重視していて、これからの欠かせないキーワードになる。
ハンドボール関係者、ファンのみなさんに元気を与えられる戦いはもちろん、今は可能性を高めることに集中特化し、自分たちができることに強い信念を持って大会をとおして戦っていきたい」

多くの取材陣の前で世界女子最終予選に向けての抱負を語った栗山監督

多くの取材陣の前で世界女子最終予選に向けての抱負を語った栗山監督

 

【石野実加子選手】
「キャプテンだからどうという意識はない。だれかがやってくれるではなく、みんなでやっていこうと意識している。短期間の調整になるのでコミュニケーションを大事にしていて、1人ひとりが発言しやすい雰囲気を作ろうと心がけている。初戦のチュニジアも油断できないし、オランダは世界2位でバランスがとてもいいチーム。フランスは両エースが強く攻め込んでくる。戦い方としては、DFから速攻を出せるかがカギになる。今回はアウェイだけど、そのアウェイという状況を力に変えられるようにしたい。最後のチャンスなのでしっかりつかんでいきたい。機動的なハンドボールではつねに足を動かし、全体が連動することが大事。私はDFで相手のミスを誘ってマイボールにするなど、積極的にボールを奪いに行くというところで自分のよさを出していきたい」

 

【横嶋かおる選手】
「これまでは妹と2人でコートに立つことができていないので次こそは立ちたい。(彩選手には)負けず嫌いなところを全面に出して粘り強くがんばってほしい。私は、言葉で示すよりもプレーで見せるタイプなので泥臭いプレーでチームを引っ張っていく。オリンピックに出ることでハンドボールのことをもっと知ってもらえると思う。今回、必ず切符をつかみたい」

 

【横嶋彩選手】
「大きな相手に対しても、逆に小さいことを利用して力強いプレーをする。監督や周りから期待されている分しっかり応えたい。日本のみなさんにはいつも応援していただき心強い。応援メッセージなどはフランスにも持っていきがんばりたい」

 

OQTの日程、日本女子代表選手団は以下のとおりです。
【日程】
3月18日(金)
16:45~ 日本-チュニジア
19:00~ オランダ-フランス

3月19日(土)
16:45~ オランダ-日本
19:00~ フランス-チュニジア

3月20日(日)
17:45~ チュニジア-オランダ
19:30~ フランス-日本

※時間はすべて現地時間。日本との時差は-8時間
※弊誌2016年3月号でお伝えした日程と時間が変更になっていますのでご確認ください

 

【日本女子代表選手団】
・スタッフ
団長:西窪勝広(日本ハンドボール協会)
強化本部長:田口隆(日本ハンドボール協会)
監督:栗山雅倫(日本ハンドボール協会)
コーチ:北林健治(日本ハンドボール協会)
コーチ:小松真理子(日本ハンドボール協会)
ストレングスコーチ/トレーナー:高野内俊也(日本ハンドボール協会)
ドクター:永澤雷田(日本ハンドボール協会)
トレーナー:岩谷美菜子(日本ハンドボール協会)
情報分析:小笠原一生(日本ハンドボール協会)
情報分析:嘉数陽介(日本ハンドボール協会)
総務/広報:長谷川千紗(日本ハンドボール協会)

・選手
【GK】
No.1 飛田 季実子(ひだ・きみこ) ソニーセミコンダクタ/170cm/104/0
No.16 白石 さと(しろいし・さと) オムロン/174cm/11/0
No.30 亀谷 さくら(かめたに・さくら) ヴァイパース・クリスチャンサン(ノルウェー)/174cm/10/0

【CP】
No.6 石野 実加子(いしの・みかこ) 北國銀行/167cm/31/36
No.9 横嶋 かおる(よこしま・かおる) 北國銀行/162cm/59/140
No.14 横嶋 彩(よこしま・あや) 北國銀行/162cm/16/33
No.17 東濱 裕子(ありはま・ゆうこ) オムロン/178cm/136/345
No.18 田邉 夕貴(たなべ・ゆき) フェヘールバール(ハンガリー)/170cm/37/102
No.19 池原 綾香(いけはら・あやか) 三重バイオレットアイリス/157cm/15/22
No.20 石立 真悠子(いしたて・まゆこ) フェヘールバール/166cm/73/158
No.21 相澤 莉乃(あいざわ・りの) オムロン/161cm/10/31
No.24 原 希美(はら・のぞみ) 三重バイオレットアイリス/170cm/41/108
No.26 川村 杏奈(かわむら・あんな) ソニーセミコンダクタ/167cm/20/24
No.27 塩田 沙代(しおた・さよ) 北國銀行/172cm/19/13
No.28 永田 しおり(ながた・しおり) オムロン/171cm/61/39
No.29 松村 杏里(まつむら・あんり) 広島メイプルレッズ/168cm/21/93
※左から背番号/名前(よみ) 所属/身長/国際試合出場数(日本協会発表)/国際試合得点数(日本協会発表)
※田邉、石立、亀谷はハンガリー遠征から合流予定

大会の詳細は日本ハンドボール協会ホームページでご確認ください。


カテゴリー: 日本代表
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