2015年10月21日
リオデジャネイロ・オリンピックアジア女子予選(愛知)がいよいよ開幕しました。
初日の10月20日の朝、日本女子代表は大会前最後のトレーニングを行ないました。(場所:愛知・トヨタ車体吉原体育館)。
練習はおよそ1時間。日本の武器となる機動力のあるDFの確認や、速攻練習などをこなし、その中で選手たちはこまめにコミュニケーションを取り合い、大会に向けて気持ちを高めました。
練習後には、栗山監督から選手、スタッフ全員に小さな方位磁針が配られ「みんなで道を選んでそして1つの方向を向こう。この先もゲームに出る選手もいれば、ベンチの選手、ベンチに入れない選手といろいろな立場で大会に臨むことになる。みんなが個性をしっかり持って、これまで培ってきた1つの方向に絶対的に向かっていくたくましさを持っていきたい。自分でコンパスの針を見て向くべき方向を確認してほしい」という言葉が贈られました。
そして、19時。今大会の初戦となるウズベキスタン戦を迎えました。
スタートのメンバーは、センター石立、右バック角南、左バック原、右サイド本多、左サイド松村、ポスト横嶋(か)、DFは左から松村、横嶋(か)、東濱、原、角南、本多の布陣で臨みました。
ウズベキスタンは、体格のよさを活かしてダブルポストを駆使しますが、日本は積極的なDFで相手のミスを誘うと、速攻につなげていきました。角南が先制点を奪い、すぐに1点を返されたものの、原が思い切りよくミドルを打ち込んで2点目を奪取。その後は本多、原、横嶋(か)、松村と速攻が続き前半9分、9-2と大きく突き放しました。
好スタートを切った日本は、メンバーを入れ替えていきます。本多に代わって出場した池原が、投入後早々にサイドシュートをねじ込んだり、永田、塩田らがDFでフィジカルの強さを披露したりと、交代でコートに立った選手も持ち味を存分に発揮。左サイド松村に代わっては、普段センターを務める川村が入るなどこれまでと違うポジションでの起用もありました。
好ムードを保って25-10で迎えた後半も勢いは止まらず、後半8分まで1失点に抑えると、やはり速攻を中心に10得点。9月に現役復帰したばかりの藤井が力強いシュートを見せ、松村が連続得点するなど若手からベテランまで、積極的にゴールを狙っていきました。
1試合をとおして速攻が多く、アグレッシブなDFはもちろん、そこから「速攻の占有率をあげる」(角南)ことに意識的に取り組んだ成果が、しっかりとあらわれる結果となりました。
相手が疲労で顔をしかめる中、日本は着実に得点を積み上げて51-17の快勝。
「試合前には、『初戦でナーバスになることもあるだろう。固くなってミスが出ることもあるかもしれない。それをすべて受け入れながら、自分たちへのチャレンジだと思って、プレーに集中することで自分を取り戻し、大会に必要な勢いをつけていこう』と話していた。そういう点でこの試合、全選手がコートに立って全力を尽くしてくれた」と栗山監督も満足の結果で、幸先のいいスタートとなりました。
また、大会はリーグ戦ということもあり、今後の勝敗によっては重要になる得失点差という面でも、大きな貯金を作ることができた日本。栗山監督も「最終戦を盤石の備えで迎えることができるのが理想。韓国に少しでもストレスをかけながら戦っていきたい」と話しました。
日本 51(25-10、26-7)17 ウズベキスタン
◆ウズベキスタン戦登録メンバー
〈GK〉飛田季実子(ソニーセミコンダクタ)、藤間かおり(オムロン) 〈CP〉本多恵(ソニーセミコンダクタ)、田中美音子(ソニーセミコンダクタ)、石野実加子(北國銀行)、横嶋かおる(北國銀行)、藤井紫緒(宣真高教員)、角南唯(北國銀行)、東濱裕子(オムロン)、池原綾香(三重バイオレットアイリス)、石立真悠子(フェヘールバール・ハンガリー)、原希美(三重バイオレットアイリス)、川村杏奈(ソニーセミコンダクタ)、塩田沙代(北國銀行)、永田しおり(オムロン)、松村杏里(広島メイプルレッズ)
◆日本得点者:松村11点、原8点、本多6点、池原5点、角南4点、藤井3点、田中、石野、横嶋(か)、東濱、石立、川村2点、塩田、永田1点。
本日の大会日程は以下のとおりです。
17:00~韓国-カザフスタン
19:00~日本-中国
大会の詳細は日本ハンドボール協会ホームページよりご確認ください。