2016年3月28日
3月26、27日に東京・駒沢体育館を舞台に行なわれた第40回日本ハンドボールリーグ(JHL)プレーオフは、男女とも、新しい時代の到来を告げる結果となりました。
男子は準決勝でレギュラーシーズン1位の大崎電気と同4位の大同特殊鋼、同2位のトヨタ車体と同3位の初出場・トヨタ自動車東日本が激突。
近年の大崎電気は、レギュラーシーズンでは圧倒的な強さを見せてもプレーオフでは本来の力を見せられず、04-05シーズンの初優勝以来、東日本大震災の影響でプレーオフが行なわれなかった10-11シーズンをのぞき、シーズン総決算のタイトルだけは手が届きませんでした。
その大崎の前に立ちはだかってきた大同が相手となった準決勝は、大崎・木村、大同・久保の両守護神が好セーブを連発し、両チームのミスの多さも相まって接戦に。これまでなら大同ペースといっていい展開でしたが、焦れずに粘り強く戦った大崎が、大同の右バック野村とポスト・朴重奎というキーマンを抑え、最後に宮﨑が逆転ゴールを決める劇的な展開で19-18として、初めてプレーオフの舞台で大同を下しました。
もう一方の準決勝では、車体が東日本を迎え撃ちました。直前のリーグ戦では東日本が勝利しており、展開次第では東日本の勝ち抜けもあるかという戦前の予想もありましたが、序盤こそ東日本が先行したものの、前半中盤以降は終始車体が試合をコントロールし、35-26で危なげなく決勝へと駒を進めました。
女子はレギュラーシーズン1位の北國銀行と同4位・広島メイプルレッズ、同2位・オムロンと同3位のソニーセミコンダクタという組み合わせ。
北國銀行は今シーズンの充実ぶりを改めて示す形で30-15で広島に難なく勝利し、オムロンも後半出だしに一気にソニーを突き放し、25-18で勝利しました。
そして迎えた翌27日の決勝戦。
男子決勝の大崎-車体は、序盤から緊張感に満ちた試合に。とくに両チームともGKの活躍が目覚ましく、前半は車体の甲斐、後半は大崎の木村が次々とビッグセーブを見せました。
なかでも木村は、まだ試合の流れが定まっていない後半序盤に、驚異的な連続セーブで車体OFを10分間にわたってシャットアウト。この間に逆転に成功し、後半15分21-17とした大崎が主導権を完全に握りました。車体は残り10分を過ぎて反撃しますが、ここでも木村の好セーブにあい、追いつくまでには至らず。最後は大崎・小澤のサイドシュートを甲斐がセーブしますが、このボールがサイドラインを割って大崎ボールとなって試合終了のホイッスル。
大崎電気がついに3度目(プレーオフは2度目)の優勝を手にしました。
女子はプレーオフ2連覇、そして史上2チーム目のシーズン4冠をめざす北國と、世代交代の狭間で苦しみながらここまでたどりついたオムロンが対戦。これまで何度も名勝負を繰り広げてきた両チームですが、試合開始からほぼ北國がペースを握り、オムロンに見せ場を与えないまま31-17で勝利。女子の覇権が完全にオムロンから北國に移ったことを印象づける試合となりました。
最優秀監督賞は、優勝した男子・大崎の岩本監督と女子・北國の荷川取監督が受賞。最高殊勲選手賞は男子が大崎・木村、女子が北國・寺田の両GK。殊勲選手賞には男子・車体の藤本、女子・オムロンの東濱がそれぞれ選出されました。
また、優勝した男子2チームは、4月17~19日に韓国で開かれる東アジアクラブ選手権に参加する権利を得ました。