2018年3月20日
3月23日に開幕するANA CUP第42回日本ハンドボールリーグプレーオフを前に、出場する男女4チーム(男子・大崎電気、トヨタ車体、豊田合成、大同特殊鋼。女子・北國銀行、広島メイプルレッズ、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、三重バイオレットアイリス)の監督、キャプテンが出席した記者会見が、19日に行なわれました。
前回まではレギュラーシーズン1位と4位、2位と3位が準決勝を戦い、その勝者が決勝と戦うトーナメント方式でしたが、今回のプレーオフからステップラダー方式になました。新方式ではレギュラーシーズン3位と4位が1stステージを戦い、勝ったチームが2位チームとの2ndステージに進みます。2ndステージの勝者とレギュラーシーズン1位のチームがFINALでタイトルを争う形に。これにより、3位、4位チームは優勝するまで3勝する必要になり、1位チームは決勝のみに集中できるなど、よりレギュラーシーズンの順位が重要なものになりました。
新方式をふまえて迎える今回のプレーオフ。ここからは男子チームのコメント、質疑応答をお届けします。女子チームの会見の模様はこちらから。
・レギュラーシーズン1位 大崎電気
岩本真典監督
「今シーズンからプレーオフの方式が変わり、1位通過ということでファイナルのみになった。前回までは優勝の可能性が4分の1だったが、今回はファイナルだけなので、2分の1に上がったと思っている。どのチームが勝ち上がってくるかわからないが、勝つ可能性を50%以上に、言ってみれば100%に近づけられるような準備をして今週末を迎えたい」
岩永生選手
「岩本監督も言っていたとおり、1位通過でファイナルだけという状況になったが、いつもどおりチャレンジャーとして、その1試合に勝つための準備をして、今週末に笑えるようにしていきたい」
・レギュラーシーズン2位 トヨタ車体
香川将之監督
「率直に、プレーオフ出場が決まってホッとしている。監督1年目として迎えた今シーズン。タイトルが獲れていた昨シーズン(全日本社会人選手権、国体の2つ)から、今シーズンはまだ1つも獲れていないのが現状で、正直、いろいろな思いはあるが、不思議と焦りはない。今回で11回目のチャレンジとなるが、唯一獲れていないタイトルなので、これから1週間、われわれの強みであるDFの精度をさらにアップさせ、課題であるOFの正確性もアップさせ、創部50周年を迎えた今シーズンに優勝を成し遂げられるよう、チーム一丸になって戦う」
津屋大将選手
「香川監督も言っていたように、節目の年を(プレーオフ優勝で)飾るためにトレーニングを積んできた。今週末は一戦一戦、1つのパス、1つのシュートにこだわって、しっかりプレーしたい」
・レギュラーシーズン3位 豊田合成
田中茂監督
「創部初のプレーオフということで、会社内含め気持ちが高まっている。私自身、このチームをなにがなんでもプレーオフに進出させたい気持ちでやってきた。今の気持ちとしては選手たちを信じているし、選手たちに期待している。あくまでもチャレンジャーとして一戦一戦戦い、大同特殊鋼、勝てば次のステージ、そしてファイナルまで登り詰めることを夢見ているので、その舞台に立てるように全力で戦いたい」
今村彰伸選手
「ようやくプレーオフの舞台に立ててうれしく思う。田中監督も言ったように、私たちはチャレンジャー。ほかの3チームは毎年のようにプレーオフに出ていて、戦い方や雰囲気は熟知しているで、われわれはレギュラーシーズン同様、チームの約束事を徹底していきたい。やるからにはもちろん優勝を狙っている」
・レギュラーシーズン4位 大同特殊鋼
岸川英誉監督
「チームの目標はやはり日本一。そのためには全員がチャレンジャーとして目標に向かっていくこと、そして、それぞれが自分の役割を徹底してチームワークで戦うことをしっかりとやっていきたい」
千々波英明選手
「4位でプレーオフに出場するので、チャレンジ精神で胸を借りるつもりで戦う。3日間あるので、まず大事な初日で勝って次に進みたい」
以下、質疑応答。
Q:岩本監督へ質問。今回の方式になって1位チームの優位性をどう感じているか
大崎・岩本監督
「(今回の方式変更について)私がなにか提案したからということではなく、リーグの方がいろいろなところから情報を得て、よりよい方向として今回の方式に変わったと思う。
1位のチームは1試合だけなので、負ける可能性は減っている。そういう意味では1位のチームのメリットは増えた。3、4位のチームは3試合、2位のチームは2試合戦わないといけないことで、よりリーグの順位性が高まった。ただ、先ほどの監督会議で話し合っていたが、これがベストではないと思うし、今回の方式もこれが最初なので、いろいろな意見をこれから出し合いながら、検証してよりよい方向に行くことを望んでいる」
Q:それぞれ、一番戦いたくない相手、チームはどこか
大崎・岩本監督
「非常に難しい質問。戦わなければいけないし、僕らは相手を選べないので。本音を言うと、戦いたくないのはトヨタ自動車東日本。レギュラーシーズンで3敗していたので」
大崎・岩永選手
「選手の立場からすると、トヨタ車体の甲斐昭人選手。今シーズンはGKの個人賞を獲っているし、車体の香川監督が言っていた強みであるDFは甲斐選手が大部分を占めているので、甲斐選手が大当たりするのが怖い」
車体・香川監督
「レギュラーシーズンやそのほかの大会を含めた今シーズンの対戦成績で、負け数が一番多いチームとはやはり戦いたくない。ただ、いずれにしても3チームに対していい準備をして臨みたい。その中で自分たちがやれることをやり切って勝ちたい」
車体・津屋選手
「どのチームも脅威だが、初戦で言うと、両チームともにGKが日本代表、元日本代表と強力なので、そこはCPとしてケアしていきたい。あと相手のエースに対しても対策を考えたい」
合成・田中監督
「今シーズン、大崎電気には1度も勝てていない。大崎は攻撃でも守備でもバラエティーに富んでいるので、的を絞りづらい。当然、トヨタ車体と大同特殊鋼との試合も厳しい戦いになると思うし、1つ1つ勝ち上がるためにはこちらもしっかりと準備をしないと。勝っていかないと初優勝はないので、すべてのチームの対策をしていきたい」
合成・今村選手
「対戦間の話からすると、一番やりづらいのは大崎電気。ただ、私たちは初めてのプレーオフなので、初戦が大事だと思っている。選手個人では、大同特殊鋼の固い守りの軸になる千々波英明選手が一番やりづらいけど、そこを対策できればうちの流れになる」
大同・岸川監督
「自分たちは4位だし、少し前までは『プレーオフの大同』と言われていたが、今はまったくそんなことはない。失うものはなにもないので、チャレンジャーとしてすぐに戦いたいのが率直な気持ち」
大同・千々波選手
「やりづらいということでは、愛知県のチームが3チームなので、トヨタ車体、豊田合成とは、隠す情報がないほど何度も戦ってきたので、この2チームは非常にやりづらいのかなと。あと、決勝に行った時は大崎電気の胸を借りるつもりで戦いたい」
新方式で迎える最初のプレーオフということもあり、各チームともに手探りの状態で試合を迎えるような印象を受けました。
日本リーグのタイトルをかけたプレーオフは3月23日に開幕。熱戦の模様はJSPORTSが生中継します(初回のみ無料放送)。
プレーオフの詳細は、JHL公式ホームページにてご確認を。
【男子プレーオフ日程】
・3月23日(金)
1stステージ
19:10~ 豊田合成-大同特殊鋼
・3月24日(土)
2ndステージ
16:10~ トヨタ車体-1stステージ勝者
・3月25日(日)
FINAL
15:15~ 大崎電気-2ndステージ勝者
※会場はすべて東京・駒沢体育館