2019年3月28日
3月23日から富山県氷見市を舞台に開催されてきた第14回春の全国中学生選手権大会(春中)が27日に大会最終日を迎え、男女の決勝戦が行なわれました。
女子は堅守速攻を武器にした芦城中(石川)が悲願の初優勝。男子は接戦をものにした明倫中(福井)が2度目の頂点に立ちました。
昨年に続いて47チームがエントリーした女子の部。序盤から熱戦が繰り広げられました。その中で左腕エース紺谷を擁する芦城中をはじめ、3、4回戦をともに1点差で制してきた東久留米西中(東京)、ハイプレスDFを武器に初のメダルを手にした岩崎中(神奈川)、そして地元代表の氷見十三中(富山)が準決勝に進みました。
芦城中-東久留米西中の一戦は、東久留米西中の強力バック陣を封じた芦城中が29-16で制し決勝進出。岩崎中-氷見十三中は一進一退の好ゲームになるも、試合が進むにつれてDFの圧力を高めていった岩崎中が主導権を握り、21-18で氷見十三中を退けました。
決勝戦は攻守充実の芦城中が、岩崎中のハイプレスDFをものともせず序盤からリードを奪います。相手DFのスペースを突く的確な動きから奥村、辻らが得点を決めると、DFからの速攻で中川、鍋島の両サイドも高確率で決めてリードを広げます。前半で14-4と10点差をつけると、後半も快調に得点を重ねました。岩崎中は池内のポストプレーなどで状況の打開を試みましたが、準決勝までの5試合でわずか55失点と鉄壁の芦城中DFを最後まで崩し切れず。28-9の大差で芦城中が勝利し、見事に初優勝を飾りました。
【女子決勝】
芦城中 28(14-4、14-5)9 岩崎中
※芦城中は初優勝
47都道府県、開催地(1チーム)、振興枠(1チーム)の49チームによる男子も女子同様、序盤から1点差の好ゲームが展開され、3回戦以降は激しさを増していきました。とくに成田中(宮城)-東久留米西中(東京)の3回戦は延長戦でも決着がつかず今大会唯一の7mTCへ。最後は東久留米西中に軍配が上がりました。
4回戦を突破したのは大分中(大分)、大体大浪商中(大阪)、明倫中(福井)と歴代の優勝チームに加え、地元の氷見北部中(富山)の4チーム。氷見北部中は3年連続の準決勝進出となりました。
準決勝は大分中-大体大浪商中、氷見北部中-明倫中のカードに。大体大浪商中はGK大砂を中心としたDFで大分中を13点に抑え、2大会ぶりの決勝進出を決めました。
一方、氷見北部中-明倫中の北信越対決は1点を争う接戦になりました。前半は相手の7人攻撃に対応した明倫中が17-11と6点のリードを奪います。後半は相手が退場者を出したスキを確実についた氷見北部中が反撃。後半17、18分に同点に追いつきますが、そのたびに明倫中のGK山崎が立ちはだかりました。守護神の活躍もあり、逆転を許さなかった明倫中が29-28で逃げ切りました。
決勝戦は、準決勝の勢いそのままに明倫中が先行します。キャプテン長谷川の連取で好スタートを切ると、山田、河原、竹内らで的を絞らせない攻撃を見せます。
大体大浪商中は9-13で迎えた後半、竹下、和田の2枚看板を中心に攻め込みます。竹下が鋭く切れ込むと、和田がフィジカルの強さを活かしてDFを突破。後半4分から8分にかけて4連取で14-15と1点差にしました。
このあとも何度も1点差に詰め寄られた明倫中でしたが、そのたびにチーム一丸となってしのぎます。相手のポストパスを守り、そこから速攻につなげるなど、得点ペースを落とさずにゲームを運ぶと、残り5分を切ってから山田、河原の3連打で24-19として勝負あり。最後まで集中力を切らさなかった明倫中が第3回大会以来となる2度目の春中制覇を成し遂げました。
【男子決勝】
明倫中 26(13-9、13-14)23 大体大浪商中
※明倫中は11年ぶり2回目の優勝
閉会式では今大会の優秀選手(ふくらぎ7)が発表されました。
【大会優秀選手(ふくらぎ7)】
〈男子〉
長谷川惣唯(明倫中)
山田俊輔(明倫中)
山崎碧翔(明倫中)
竹下颯斗(大体大浪商中)
大砂佑眞(大体大浪商中)
小鱗皇晟(大分中)
本川将伍(氷見北部中)
〈女子〉
紺谷利紗(芦城中)
中川舞香(芦城中)
奥村由紗(芦城中)
薄田七湖(岩崎中)
石田紗瑛(岩崎中)
武江真穂(東久留米西中)
堀緋奈乃(氷見十三中)
14回目の春中は全94試合を終え、これにて閉幕。熱戦を繰り広げた中学生たちの活躍は、5月20日発売の6月号にてお伝えします。