2019年11月22日
21日に東京・国立代々木競技場で開幕したJAPAN CUP2019・女子。
まず17:30からはフランス対ブラジル戦が行なわれました。序盤は拮抗した戦いが続きましたが、次第にフランスの堅いDFにブラジルが攻め手を欠いていきます。フランスは8-7の23分から前半終了まで、失点を0にするとともに8点を追加して16-7と大きくリードを広げました。
後半に入ると、ブラジルがミドルやカットインで得点を重ねましたが、フランスDFが大崩れすることはなく33-22とフランスが快勝を収めました。
2試合目には日本代表・おりひめジャパンがスロベニアと対戦しました。日本は田邉(LW)、角南(果、PV)、秋山(RW)、角南(唯、BP)、大山(BP)、佐々木(BP)、GKには亀谷、DFに永田(し)が入る布陣でスローオフを迎えました。
センター大山の鋭いカットインで先制し、さらに右バック角南(唯)とポスト角南(果)のコンビで7mTを獲得と幸先のいいスタートを切った日本でしたが、このチャンスをスロベニアGKパンドジッチにセーブされ、流れをつかめません。
前半7分からスロベニアに3連取を許し、3-5とされますが、日本はパスをつないで相手DFを揺さぶり、田邉や秋山らで13分6-6と食らいつきます。
その後、スロベニアは得点力の高い左腕グロスを中心に、サイド・バリッチ、ポスト・フェルフォリャらで突き放そうとしますが、日本は角南(唯)、サイド藤田らで粘りを見せます。
11-12の前半終了3分前から藤田のサイドシュート、センター石立のカットイン、さらに7人攻撃で2枚目のアウトを割った多田で初めて3連続得点を奪った日本が、14-13と前半をリードして折り返しました。
後半に入ると、日本は8分までに4回、2点のリードを奪う場面がありました。しかしスロベニアのエース・グロスの強烈なミドルなどがあり、これ以上リードを広げることができません。
9分に18-18とされて以降は、日本が7人攻撃やカットインで点を奪うと、スロベニアはグロスやサイド・ピシェクらで譲らず。28-28の試合終了まで均衡が破られることはありませんでした。
日本はキャプテン原が負傷し、世界選手権のメンバーから外れるという思わぬアクシデントに見舞われ、今大会を迎えました。その中でもチームの柱となるキャプテン、そして中央のDFを任されていた原の抜けた穴を全員でカバーしようとする姿勢が見られました。
OFでは7人攻撃なども駆使しながら鋭く前を狙って点を取ることができていただけに、スロベニアのグロスのように、長身で強打を放つ選手がいた時にDFが寄ってしまう場面をいかに少なくできるか、それが今後は重要になりそうです。
▽JAPAN CUP 2019・女子
フランス 33(16-7、17-15)22 ブラジル
日本 28(14-13、14-15)28 スロベニア
【得点者】5点:藤田、大山、4点:石立、3点:多田、2点:角南(果)、角南(唯)、田邉、秋山、佐々木、1点:永田(し)
以下、選手採点・寸評です。
【選手採点・寸評】 ※背番号、名前(ポジション)、採点(5点満点)、寸評の順
No.2 永田美香(PV) 2
7人攻撃時のポストや、中央のDFに入ったが短時間の出場ということもありめだった印象を残せず。
No.3 角南果帆(PV) 4
コンビプレーできっちりゴールを決めるとともに、日本の7mTを取り、DFでもハードワークするなど攻守に貢献。
No.4 角南唯(BP) 3
鋭いカットインは健在。取り組んできたミドルシュートもよく狙ったが後半の1点のみにとどまった。
No.5 塩田沙代(LB) 3
代表では2枚目に入ることが多かったが、原が抜けたことにより中央に入る機会も増えた。これから連携を高めていきたい。
No.7 藤田明日香(RW) 4
途中出場でも持ち味を発揮。サイドから1枚目と2枚目の間に切り込んでシュートを決めるなど力強さも見られた。
No.12 板野陽(GK) 2
プレータイムが限定され、その中でアピールすることができなかった。
No.13 勝連智恵(LW) 2
田邉と交代で出場したが、シュートチャンスは訪れず。
No.15 多田仁美(BP) 4
フィジカルを活かして相手DFを突破して日本に流れを引き寄せた。もぎ取った7mTも自分で決め切った。
No.18 田邉夕貴(LW) 3
サイドシュートを2本決め、OFの役割は果たしたが、DFで相手エースに打ち込まれるシーンも見られた。
No.20 秋山なつみ(RW) 3
1本目は相手GKにセーブされたが、その後は修正できていた。あとはラインクロスをなくしたいところ。
No.25 大山真奈(BP) 3
積極的に前を狙い、相手DFを切り裂くカットイン、意表を突いたステップシュートが効果的だった。しかし2本外した7mTは課題に。
No.27 佐々木春乃(BP) 2
果敢に狙ったロングはなかなか枠を捕らえ切れないまま終わった。3本中2本の7mT成功は及第点。
No.28 永田しおり(PV) 3
DFで身体を張ったが、連携はまだ高め切れていないようす。キャプテンとしてチームをまとめることができるか。
No.30 亀谷さくら(GK) 3
シューターとの駆け引きのうまさや、キーピングの安定があった。チームに合流して間もないこともありDFとの合わせはを高めていきたい。
No.41 河田知美(BP) 2
7mTからのリバウンドを立て続けに相手GKにセーブされ、得点ならず。OFでもシュートに絡むことができなかった。
No.81 石立真悠子(BP) 4
得点が欲しい場面でカットイン、ミドルで確実に決め切った。ミドルの前にシュートフェイントを入れるなど、テクニックも光った。
次戦は23日。17:30~スロベニア-ブラジル、日本は20:00からフランス代表と対戦します。