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2015年10月16日

日本女子代表が練習を公開 心身整え決戦へ

 

リオデジャネイロ・オリンピックアジア予選(10月20~25日、愛知)を直前に控えた日本女子代表『おりひめジャパン』は15日、合宿のようすを公開しました。
合宿は9月1日から東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで行なわれており、ここまで1ヵ月以上かけて練習していますが、選手たちに大きなケガはなく、あと数日に迫った予選に向けて、心身のコンディションを整えています。

応援メッセージが書かれた日の丸がコートを囲むほど集まっている

応援メッセージが書かれた日の丸がコートを囲むほど集まっている

練習の開始は国歌斉唱から。気持ちを高めて練習に臨んでいる

練習の開始は国歌斉唱から。気持ちを高めて練習に臨んでいる

 

 

この日は、3月の高校センバツを制した埼玉の強豪・浦和学院高を招いて攻防練習を行ないました。
大型選手やフィジカルが優れた相手に対してどのように守るのかはおりひめジャパンの課題の1つ。守備からボールを奪い、速攻までつなげる練習も含め、DFを中心に選手たちは約2時間半、汗を流しました。

強いコンタクトがDFの生命線(写真は原)

強いコンタクトがDFの生命線(写真は原)

大型選手を想定したハードな練習も全員で声を掛け合う

大型選手を想定したハードな練習も全員で声を掛け合う

ボールを奪い、速攻までつなげる練習もあった(写真は横嶋彩)

ボールを奪い、速攻までつなげる練習もあった(写真は横嶋彩)

時には真剣に、時には楽しくと練習中からメリハリをつけている(写真は石立)

時には真剣に、時には楽しくと練習中からメリハリをつけている(写真は石立)

 

 

オリンピック行きをかけた戦いがいよいよ20日から始まるということで、この日は多くの報道陣が訪れました。
以下、栗山雅倫監督と選手のコメントです。

 

 

栗山雅倫監督
「男子選手に練習相手になってもらい、国際試合でしか得られないコンタクトの強さとスピードを取り入れて練習できたのは非常に大きい。我々のようなDF(前に出るオープンスタイル)は、一瞬の躊躇(ちゅうちょ)がほころびにつながってしまうことがある。ただ、システムとしてはどうしてもこれをしておかないと、ということは現時点ではないと思う。あとはコンディションを上げていって、やりたいアタックだったり、相手を圧倒できる時間を増やせたらなと。だれがキーになるかと聞かれると難しい。私たちはだれが出てもクオリティーが落ちないことをめざしている。しいてあげるとしたら、攻防では横嶋かおる、攻撃では石立ですかね。
韓国戦に向けてこの3年を思い描いてきた。それに向けてやってきた。この1年は韓国との勝負で辛酸を舐めながらも(アジア大会、アジア選手権で連敗)、幅を広げることをやってきたので、その効果が出てきている。これをすべて韓国戦にぶつけたい。韓国は習熟性があって、巧み。韓国を超える機動力で戦いたい。
我々は40年来の悲願(オリンピック出場)を達成しようという大きなことをしようとしている。日本開催なので、日本のみなさんの声援が私たちを後押ししてくれる。我々を取り巻く環境が、これまでとぜんぜん違うということを実感している。
ストロングポイントを持ってこれまでやってきた。(W杯で大健闘した)ラグビーや、(オリンピック行きを決めた)バスケットのように我々も『ジャパンウェイ』で続きたい。
チャンスとしては、ほかにもあると言えばあるけど、ここで是が非でも達成したい。このような環境の中で戦えるのはまたとない機会。(2020年の)東京オリンピックではその舞台に立てるけれど、私たちは自力でオリンピック出場をつかむチャンスを握っている。応援してくれる皆さんに元気な風を吹かせられたらと思っている」

3年間の集大成に臨む栗山監督

3年間の集大成に臨む栗山監督

報道陣の多さから注目度の高さが伺える

報道陣の多さから注目度の高さが伺える

 

 

本多恵選手
「戦いの方向性は見えてきた。国歌を歌ってスタートするのは、士気を高めて練習に入れて、試合の時と同様の気持ちに高めて練習にも取り組むようにしているから。
海外に移籍した選手たちもいて、合わせる時間が少なかったりもしたけど、逆に残っているメンバーだけでも戦えるようにしてきた。それに海外遠征では若手が自信持ってやってくれて、チームとしての総合力は上がっている。
2つのDFを用意している。これまでは、海外を意識して高めのDFに取り組んでいたけど、韓国は引き出させてその間を攻めるのがうまいチーム。低めのDFの中で機動力を活かすことが大事になる。
カザフスタン、中国にきちんと勝たないといけない。韓国戦は自分たちのやってきたことを出し切るのみ。
国外で試合をする時、会場の雰囲気に押されることがあった。でも、今度は私たちが日本でやれるということはすごく力になる。やってきたことを出せれば勝てる。日本で国際試合を見てもらうことはすごく大きい。最初に日本代表に選ばれたころは、オリンピックは夢だなって思っていた。でも今は夢じゃないなって実感している」

ていねいに質問に答えるキャプテンの本多

ていねいに質問に答えるキャプテンの本多

 

 

石立真悠子選手
「日本全国のみなさんが応援してくださっていることも感じている。集大成のゲームになると思う。(海外でプレーするため)合流できる時間は少なかったけど、いかに早くチームにフィットし、プラスαを加えることができるかを意識していた。あとはできること、やるべきこと、我慢しないといけないことを取捨選択していかないといけないけれど、男子選手との練習の中で、いろいろチャレンジしていくことと、切っていくことを意識できた。
前回のオリンピック予選も経験したことが根底にある。予選で負けた悔しさがここに来るってことにつながったし、その時のチームの魂をこのチームに引き継ぐことが役割の1つ。ポジション上、ゲームメイクをしないといけない。私のゲームメイク1つで勝敗が変わってくると思うので、心は熱くなりながらも冷静に全体をコントロールしていけたら。
私の強みは1対1だったり、フェイントプレー。海外に行ったのは、それだけじゃ勝てない、だからもっと得点力を上げたいと思って行った。自分が活きながら周りを活かせるところが強み。全体を連動させていくことが大事。プレーの選択肢も増やしたい」

 

 

藤井紫緒選手
「今の状態は85%ぐらいまで上がっている。トレーナーたちといっしょに相当追い込んできたおかげ。これまでロングシュートが多くなっていたけど、一度現役から離れてカットインの割合が多くなったと思う。(男子選手などの)身体が大きい選手と練習することで、いざ試合をやった時にフィジカルで勝てると昔から感じていた。大きいポストを想定したいい練習になるので。コンタクトの強さに慣れ、機動力を活かしていきたい。気持ちの準備はできている。(教員をしている)宣真高校(大阪)のハンド部員たちから日の丸が送られてきたのはうれしかった」

 

 

東濱裕子選手
「個人としては準備OK。チームとしては、まだ限界を知らないので、できるところまで詰めていきたい。午後の練習がハードな時は、午前中をフリーにしたり軽めになる時もあるので、全体的に疲労は抑えられている。(DFで)中央のコンビはお互いのことをよく理解してきている。原や塩田と組んだ時には、早め早めに動かす、準備させるようにしている。そこからフォローにいく感じ。頭の回転を早く、DFの準備も早くすることを意識して守っている。(アジア予選に向けて)不安はありながらも、『やってやるぞ』という気持ちもある。個人のレベルは前回のロンドン予選よりもいいと思う。シュート力やシュートバリエーションなどやってきたことを試合で出せるか楽しみ。この4年間はエースらしさを意識してきたので、得点力が伸びればいい」

 

 

原希美選手
「まだまだできないことは多いけど、行き当たりばったりだったDFが、徐々に周りを観察できるようになってきた。大会ではどれだけDFができるか楽しみ。OFはつねに出られるイメージを持ってるので、私が入った時はとにかくカットイン! (右バックに入った時は)アウトスペースを狙って、DFを広げるイメージですね。あと少ししかないですけど、まだできることはある。やるだけやって試合に臨みたい」

 

 

藤間かおり選手
「気持ちの面より、身体を作り直したり、体力的にもうひとランク上げることがこの4年間強かった。でも、日本でやるってことが決まって、やらなきゃいけないって気持ちが湧いてきて、いい状態に持っていけてる気がする。流れを変えられるキーピングをしたい。シューターを観察するのとは得意だから、最終的にそれを止めて爆発的にここで一本っていうのを止められたらと思う。私はしかけるキーピングというタイプではなく、DFでのコンビで止めることが多かった。だから最初は、代表のオープンなDFと合わせるのが大変だったし、準備する前に打たれたり、でも練習の積み重ねで、うまく合わせられるようになってきた。どうしても迷ってしまっていたけど、今は迷わないでやることを意識してる。それが、爆発的なキーピングにつながるはず。
大きい大会の韓国戦になると立ち上がりが悪いから、日本開催を力に変えて、スタートで離されないように注意したい」

 

 

大会は5ヵ国による総当たりのリーグ戦で、来年開催されるリオデジャネイロ・オリンピックのアジア代表の枠は1つ。アジア予選で優勝した国に出場権が与えられます。2位以下でも、12月の世界女子選手権(デンマーク)、来年3月に開かれる世界最終予選(各地)でチャンスはあるものの、やはり打倒・韓国を果たしアジア代表として出場したいところ。
地の利を活かし、40年ぶりのオリンピック出場をおりひめジャパンがめざします。

 

 

【日本女子代表選手団】
・スタッフ
団長:渡邊佳英(日本ハンドボール協会)
監督:栗山雅倫(日本ハンドボール協会)
コーチ:大森聡(日本ハンドボール協会)
コーチ:勝田祥子(日本ハンドボール協会)
トレーナー:高野内俊也(日本ハンドボール協会)
ドクター:永澤雷田(日本ハンドボール協会)
分析:小笠原一生(日本ハンドボール協会)

・選手
【GK】
No.1 飛田 季実子(ひだ・きみこ) ソニーセミコンダクタ/170cm/95/0
No.16 白石 さと(しろいし・さと) オムロン/174cm/10/0
No.22 藤間 かおり(ふじま・かおり) オムロン/173cm/75/0
No.30 亀谷 さくら(かめたに・さくら) ヴァイパース・クリスチャンサン(ノルウェー)/174cm/0/0

【CP】
No.3 本多 恵(ほんだ・めぐみ) ソニーセミコンダクタ/159cm/70/157
No.5 田中 美音子(たなか・みねこ) ソニーセミコンダクタ/160cm/139/603
No.6 石野 実加子(いしの・みかこ) 北國銀行/167cm/20/30
No.7 錦織 新(にしきおり・あらた) ソニーセミコンダクタ/167cm/22/34
No.9 横嶋 かおる(よこしま・かおる) 北國銀行/162cm/48/109
No.10 藤井 紫緒(ふじい・しお) 宣真高教員/164cm/106/540
No.14 横嶋 彩(よこしま・あや) 北國銀行/162cm/13/33
No.15 角南 唯(すなみ・ゆい) 北國銀行/162cm/13/41
No.17 東濱 裕子(ありはま・ゆうこ) オムロン/178cm/129/336
No.18 田邉 夕貴(たなべ・ゆき) フェヘールバール(ハンガリー)/170cm/27/87
No.19 池原 綾香(いけはら・あやか) 三重バイオレットアイリス/157cm/7/9
No.20 石立 真悠子(いしたて・まゆこ) フェヘールバール/166cm/62/135
No.21 相澤 莉乃(あいざわ・りの) オムロン/161cm/10/31
No.24 原 希美(はら・のぞみ) 三重バイオレットアイリス/170cm/30/65
No.26 川村 杏奈(かわむら・あんな) ソニーセミコンダクタ/167cm/12/16
No.27 塩田 沙代(しおた・さよ) 北國銀行/172cm/18/12
No.28 永田 しおり(ながた・しおり) オムロン/171cm/50/37
No.29 松村 杏里(まつむら・あんり) 広島メイプルレッズ/168cm/10/46
※左から背番号/名前(よみ) 所属/身長/国際試合出場数(日本協会発表)/国際試合得点数(日本協会発表)

 

【日本戦日程】
10月20日19:00~ VSウズベキスタン
10月21日19:00~ VS中国
10月24日16:00~ VSカザフスタン
10月25日16:00~ VS韓国

 

日本ハンドボール協会HP:http://www.handball.jp/games/2015/rio_yosen_w/2015_asian_womens_rio_qualification.htm
リオデジャネイロ・オリンピックアジア女子予選特設ページ:http://www.jha-2015asian-womens-rio-qualification.com/


カテゴリー: 日本代表
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