rss
スポーツイベント・ハンドボール編集部
スポーツイベント・ハンドボール編集部スタッフが取材のこぼれ話などをつづります
  • Home  » 
    • 編集部ブログ
     » 
    • カザフスタンに辛勝も、韓国との一騎打ちにつなぐ

2015年10月25日

カザフスタンに辛勝も、韓国との一騎打ちにつなぐ

リオデジャネイロ・オリンピックアジア女子予選(愛知)4日目、日本はカザフスタンと対戦しました。

スコアは以下のとおりです。

日本 24(13-11、11-12)23 カザフスタン

 

スタートメンバーはセンター石立、右バック角南、左バック原、右サイド池原、左サイド松村、ポスト横嶋(か)、DFは左から松村、横嶋(か)、東濱、原、角南、池原、GK藤間の布陣で臨みました。

 

試合序盤は日本の積極的なDFが機能し、大型選手の多いカザフスタンにプレッシャーをかけて、マイボールにすると速攻につなげるなどして、前半6分2-2の場面から角南、池原、原、松村の若手が連続して得点。11分7-2とリードしました。

 

そこから、一気に差を広げたいところでしたが、相手のGKの前にシュートを阻まれるなどチャンスをものにできない時間帯も。相手を突き放すどころか差を縮められて13-11で前半を終えました。

 

後半に入ると、勢いに乗ったのはカザフスタン。日本が得点できない間にカザフスタン5番のピアロワの速攻で13-12と1点差に詰め寄られます。それでも、途中出場したGK飛田が7mTを阻止し、簡単に流れを引き渡すまいと奮闘。これで波に乗ろうとするも、シュートミスなどがめだち、後半7分ついに13-14と逆転を許してしまいました。

飛田のセーブが日本の危機を救った

飛田のセーブが日本の危機を救った

 

そこで意地を見せたのが左腕エースの藤井。トップスピードで相手DFに切り込んですぐに1点を取り返すと、原もDFと接触しながらシュートをねじ込み、田邉がサイドシュートをきっちり決めて後半9分16-14に。

相手に流れが傾きかけた時に、藤井の思い切りのいい攻めが光った

相手に流れが傾きかけた時に、藤井の思い切りのいい攻めが光った

 

そのあとも、7mTを阻止されたあと、難しいところに跳ね返ったリバウンドを原がキープしてゴールにねじ込むなど、意地を見せました。

ボールへの執着心をみせこの試合7得点と気を吐いた原

ボールへの執着心をみせこの試合7得点と気を吐いた原

 

しかし、積極的なDFで相手に当たりながらも、逆に裏を突かれたり、守れたと思った瞬間の視野外プレーでカザフスタンも得点を積み上げていきます。そして19分再び19-19と並びました。

 

試合時間残り10分となり、これ以上の反撃は許したくないところでしたが、カザフスタンの両バックのタンキナとアレキサンドローバに連打され19-21と2点のビハインドを背負ってしまいます。

 

韓国との最終決戦に向け、なにがなんでも勝利がほしい日本にとっては、かなり苦しい展開となりましたが、ここでも流れを変えたのが藤井。思い切りのよいミドルを放ち、続いて横嶋(か)がポストシュートをねじ込んで24分21-21に。

 

残り1分23-23と均衡は破れず、日本はタイムアウトをとり最後の攻撃をしかけます。少し時間をかけながらボールを回し、最後は藤井がせまいDFの間にパスをとおして、それをキープした横嶋(か)は、いい体勢ではなかったものの、ボールをゴールに押し込み24-23としました。その時点で残り30秒。相手が充分に攻撃できる時間でしたが、カザフスタンのシュートを最後は飛田がセーブし、最後まで油断のできない戦いを24-23で制しました。

 

残り30秒で執念を燃やしゴールを放った横嶋(か)

残り30秒で執念を燃やしゴールを放った横嶋(か)

 

試合後の記者会見では、栗山監督、本多、横嶋(か)、藤井が、カザフスタン戦で出た多くの課題を振り返り、韓国との最後の一騎打ちに臨む意気込みを話しました。

 

「大変苦しい試合になった。勝たなければいけないプレッシャーの中で、点をとり急いでしまった。しかし、これこそ最後に向き合わないといけない課題。最後の決戦の前に出たことは、これを活用してかんばれということだと思って韓国戦に臨みたい」(栗山監督)

 

「シュートミスが多く出てしまった。残りの試合が少なくなるごとにプレッシャーは大きくなっていた。韓国戦は大差で勝つという流れにはならないと思うので、競り際で勝つことのイメージも持てたので今日の試合をプラスにもとらえている」(本多)

 

「最後のシュートはなにがなんでも勝ちたい気持ちでボールをねじ込んだ。試合としては自分たちが逃げ切れるところで逃げ切れなかったりした部分があったけれど、勝ちは勝ち。明日(25日)、オリンピックの切符をとりに行くだけです」(横嶋か)

 

「自分たちで自分たちの首を絞める結果になったけれど、それが今日出てよかった。韓国戦もこの試合のようになると予想されるのでしっかり勝ち切りたい」(藤井)

 

◆カザフスタン戦登録メンバー

〈GK〉飛田季実子(ソニーセミコンダクタ)、藤間かおり(オムロン)亀谷サクラ(ヴァイパース・クリスチャンサン/ノルウェー)
〈CP〉本多恵(ソニーセミコンダクタ)、田中美音子(ソニーセミコンダクタ)、石野実加子(北國銀行)、横嶋かおる(北國銀行)、藤井紫緒(宣真高教員)、角南唯(北國銀行)、東濱裕子(オムロン)、池原綾香(三重バイオレットアイリス)、石立真悠子(フェヘールバール/ハンガリー)、原希美(三重バイオレットアイリス)、田邉夕貴(フェヘールバール・ハンガリー)、永田しおり(オムロン)、松村杏里(広島メイプルレッズ)

 

◆日本得点者

原7点、横嶋(か)、藤井5点、田邉4点、角南、池原、松村1点

 

本日は、大会最終日。最大のライバル韓国との対決となります。現時点で、得失点差は19点韓国が上回っています。なんとしても「勝ち」が必要となります。昨年9月のアジア大会(韓国)では、相手のホームで戦い、前半から突き放されて19-29で完敗。今年3月のアジア選手権(インドネシア)では2戦し、20-32、22-36で敗れています。

 

韓国は世界的に見ても力のあるチームであることは間違いありませんが、日本はこれまで韓国にいかに勝利するかということを意識して長期の合宿を行なってきました。

 

韓国のメンバーで警戒したいのは韓国の司令塔で23番の金温兒。ゲームを組み立てるだけでなく、攻撃力も抜群な選手です。ロンドン・オリンピック時にはケガで最後まで戦えず悔しい思いをしている分、リオ・オリンピックにかける想いは強いことでしょう。彼女をいかに抑えるかが大きなポインとなります。

金温兒はもっとも警戒すべき選手

金温兒はもっとも警戒すべき選手

 

また、大型左腕ヒッターの11番・柳殷僖もロングシュートやカットインなどで得点を量産する選手です。DFの上からでも次々にシュートを奪えるため、早い段階でプレッシャーをかけておきたいところ。

柳殷僖の豪快なシュートをしっかりと阻止したい

柳殷僖の豪快なシュートをしっかりと阻止したい

 

主力メンバーはこれまでの大会と大きく変わらないようですが、経験のある選手の中に、昨年の世界女子ジュニア選手権(クロアチア)での韓国優勝に貢献した左腕・兪少廷が、ここまでの3試合に出場し活躍しています。林英喆監督も「次世代のエース候補として期待している」と話しており、勢いのある選手です。

兪少廷は最年少だが威勢のいい選手

兪少廷は最年少だが威勢のいい選手

韓国はスピードにあふれ、ゆさぶりのうまいチーム。これまでの戦いよりもより早い段階でのアタックが必要となり、けん制などで簡単にボールをつなげさせないことが重要になります。

 

DFは3:2:1や6:0を巧みに使い分けてきます。それにいかに対応し、そして、試合の序盤から積極的に攻め、守って、カザフスタン戦で見せたような意地を見せる泥臭いプレーが出れば充分勝機はあるはずです。

 

本日の大会日程は以下のとおりです。

14:00~ウズベキスタン-中国

16:00~日本-韓国

 

本日の日本-韓国戦はNHK-BS1で放送されます。

大会の詳細は日本ハンドボール協会ホームページよりご確認ください。


カテゴリー: 世界, 日本代表
▶コメント » 0

コメント