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2016年8月8日

岩国工、水海道二が春夏連覇! 山口インターハイ最終日

8月1日から山口県で開催されていたインターハイのハンドボール競技は、7日に大会最終日を迎え、男女決勝戦が行なわれました。
日本一をかけた戦いは以下のような結果になりました。

 

 

【男子決勝】
岩国工 29(11-12, 18-8)20 大分
※岩国工は4年ぶり2回目の優勝
【女子決勝】
水海道二 28(14-11, 14-12)23 明光学園
※水海道二は46年ぶり2回目の優勝

 

 

3月末のセンバツと同じ組み合わせになった男子決勝戦。前半だけで勝負がついた約4ヵ月前の試合とは違い、大分(大分)が序盤からいいリズムを作ります。左腕エース本田(悠)の飛ばしパスから山田がサイドから決めた先制点などコートを幅広く使った攻撃で相手DFを揺さぶり、前半を12−11とリードして折り返します。

前日の準決勝に続き好セーブを連発した大分GK片山

前日の準決勝に続き好セーブを連発した大分GK片山

 

しかし、今大会何度も接戦を抜け出す時間帯を作ってきた岩国工。この試合も同様に後半から流れをつかみます。2枚目に入る栗栖がより前に出てプレッシャーをかけて、中央を守る徳田、助安のコンビがポストパスを次々にカット。それを速攻につなげる形が出始めた後半4分から7分にかけて4連取で17−13と完全に主導権を握りました。DFシステムを変えてきた岩国工の前に攻め手を欠いた大分は苦しい時間が続きました。岩国工はGK田中のファインセーブもあり、29−20で大分を下し、4年ぶりの夏制覇を果たしました。

インターハイ制覇、そして39年ぶりの地元勢優勝の偉業を成し遂げた岩国工セブン

インターハイ制覇、そして39年ぶりの地元勢優勝の偉業を成し遂げた岩国工セブン

 

 

今春のセンバツを制し、歴代最多57回目の出場を誇る伝統校・水海道二(茨城)と、初出場でファイナルまで駆け上がった明光学園(福岡)と女子決勝は対照的な2チームによる対戦になりました。
最初に流れをつかんだのは新鋭の明光学園。持ち前の3:3DFで水海道二OFのリズムを崩し、攻めては安田のシュートなどで前半12分7−4と先行します。

明光学園は藤田(写真)と安田の2枚看板がチームをリードして主導権を握った

明光学園は藤田(写真)と安田の2枚看板がチームをリードして主導権を握った

 

 

リードを許した春女王ですが、あわてていませんでした。直後に右サイド江口が決めて1点を返します。3年生の江口は今大会、決して好調とは言えませんでしたが、センバツ決勝と同じく大一番で真価を発揮し、このあとも右サイドから着実に得点を重ねました。15分からはセンター齊藤が切り込み3連取で8−7。水海道二はエース相澤だけでなく、右バック小林、左サイド田沼らが機能し始め、明光学園DFを攻略します。
3点リードして迎えた後半早々に3連打を奪い、さらに15分から小林、滝川らでたたみ掛け24−14と大量リード。明光学園は最後まで諦めず得点を重ねましたが、5点差に詰めるのが精いっぱい。春のセンバツに続き、水海道二が頂点に立ちました。

タイムアップの瞬間、手をつなぎ優勝の喜びを共有した水海道二セブン

タイムアップの瞬間、手をつなぎ優勝の喜びを共有した水海道二セブン

 

 

決勝戦をもって、今年のインターハイも閉幕。閉会式では今大会の優秀選手、男女それぞれ15人が発表されました。

 

【男子優秀選手】
田中夏輝、助安大成、徳田廉之介、栗栖昇己(岩国工)、向井京馬、山田翔騎、本田悠也(大分)、西口空知、小松優大(洛北)、阿南遼星、松下海(大体大浪商)、山口広輝(瓊浦)、福本吉伸(北陸)、服部將成(中部大春日丘)、村井達也(高岡向陵)

 

 

【女子優秀選手】
相澤菜月、齊藤詩織、滝川莉奈、宝田希緒(水海道二)、安田七海、藤田遥香、尾辻素乃子(明光学園)、中條希春、内堀杏美(高松商)、西村美桜里、川上真愛(四天王寺)、伊地知愛妃(鹿児島南)、辛島美奈(高水)、金城ありさ(佼成女)、田島夕衣里(大分)

 

 

今大会は8月25日発売の9月号で特集します。優勝チームから序盤戦で涙したチームまで、それぞれの夏を追います。発売までお楽しみに。

 

 

 

今日のピカイチさん!

最終回では地元優勝を達成したチームを支えた2人を紹介します。まずは全校応援を盛り上げたこの人。

岩国工業高ハンドボール部
久保公人くん(3年)

 

右手をよく見てください。マメが潰れているのがわかりますか。久保くんは最後の夏にベンチ入りはできませんでしたが、応援席からタイコを5日間叩き続けてきました。手のマメは力いっぱい仲間を応援してきた証拠です。決勝戦は全校応援ということもあっていつも以上に緊張したそうですが、「悪い流れの時に応援が沈まないようにとがんばって盛り上げました。達成感でいっぱいです」と日本一に貢献できたことを喜びました。

 

 

そして今回はもう1人、岩国工の“勝利の女神”を紹介します。

岩国工業高ハンドボール部マネージャー
新庄祐佳さん(1年)

 

なんと同校18年ぶりの女子マネージャーです。入部したのはわずか2ヵ月ほど前。もともとは弓道部だった新庄さんは6月のインターハイ予選を観て、「選手、応援団と全員で試合をしているのに感動しました」と入部を志願。倉谷監督と「3年後に世界一のマネージャーになる」と約束をかわして入部しました。ハンドボールも、マネージャーの業務もなにもわからない状態でしたが、見よう見まねで仕事を1つひとつ覚え、今ではなくてはならない存在に。
今大会はチームのユニフォームを型どったお守りを作るなど、陰ながら選手たちをサポートしてきました。「日本一のチームにかかわっているなんて、いまだに実感がありません。3年生には『ありがとうございました』と言いたいです」。


カテゴリー: 高校
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