2016年10月11日
岩手県花巻市で開かれた第71回国民体育大会(国体)ハンドボール競技は、10日に競技最終日を迎え、成年女子では石川(北國銀行)が熊本(オムロン)を下し4連覇を達成。少年男子では前半2点ビハインドの山口が後半に盛り返し、沖縄との決勝戦を制しました。
成年女子、少年男子の最終日の結果は以下のとおりです。
【成年女子結果】
・3位決定戦
広島 27(11-12、16-7)19 鹿児島
・決勝
石川 18(9-5、9-8)13 熊本
【少年男子結果】
・3位決定戦
茨城 32(15-6、17-8)14 長崎
・決勝
山口 32(14-16、18-9)25 沖縄
成年女子は、日本リーグで首位を走る北國銀行の石川と、2位につけるオムロンの熊本が決勝の舞台で戦いました。
試合は持ち前の堅守速攻が冴えた石川が八十島らの得点で前半10分6-2と抜け出し、そのままリードして後半戦へ。追いかける熊本はGK山中、宮川の好守で5点差以上に離されず、食らいつきます。11-16の後半21分には澤田が退場するも、その間に川俣が相手DFの裏をつき1点を返し、さらにGK山中が7mTをセーブ。直後に松尾の得点で3点差につめて、再び山中が7mTを止めるなど、流れは熊本に傾いていました。
逆転を狙い前へ前へと攻めてくる熊本を逆手に取り、石川・河田がパスをスティール。そのまま塩田につなぎ、残り2分半で17-13として勝負あり。石川は得点こそ伸び悩みましたが、「DFで安定できた」(石川・荷川取監督)ことが勝因となり、大会4連覇を果たしました。北國としては、これで今シーズン2つ目のタイトルとなりましたが、「まだまだいきます」とエースの横嶋は慢心するようすを見せず、年末の日本選手権、そして日本リーグ制覇へ切り替えていました。
3位決定戦では、序盤から一進一退の攻防が続きましたが、後半9分からの4連取でリードした広島が鹿児島を下しました。
今大会の最終ゲームとなる少年男子決勝を戦ったのは、春夏連覇中の岩国工高主体の山口と、興南高単独の沖縄。
序盤は沖縄のペースで進みます。ポスト寺島の浮き上がりから相手DFのスキを突くステップシュートや、平仲、渡慶次らのミドルシュートで山口DFを打ち崩し、11分8-4とします。山口はすぐにタイムアウトを請求し4連打で追いつきますが、逆転までいたらず。勢いが止まらない沖縄は22分から連打で抜け出し、前半を2点リード(16-14)して後半の30分へ。
山口の中心となる岩国工高にとって今年のチーム結成以降、「初めて2点ビハインドという状況」(山口・倉谷監督)でハーフタイムを迎えましたが、後半から本領発揮。開始早々、長弘がサイドシュートを決めるとエース徳田が技ありミドルを2本続けて決めて17-16と逆転します。約束事を再確認し、圧力を増した山口DFは、守護神・田中の好セーブもあり沖縄OFを封じ込め、逆転した5分以降、一度も沖縄にリードを許しませんでした。尾川のバースデーゴールもあり、32-25で試合終了。山口は6大会ぶりに国体のタイトルを獲得しました。また、チームの主体となった岩国工高は、春のセンバツ、夏のインターハイに続いての日本一で、事実上の3冠となりました。
茨城-長崎の3位決定戦は、GK中村の堅守と攻撃陣が爆発した茨城が快勝を収めました。
4種別の順位によって争われる天皇杯(男女総合成績)と、女子の2種目による皇后杯(女子総合成績)は、ともに茨城が制しました。茨城は少年女子の優勝に始まり、成年女子は5位。そして最終日の少年男子3位と3種別で得点を重ねました。
【天皇杯結果】
1位:茨城 92.5点
2位:山口 62.5点
3位:石川、愛知 50点
5位:千葉 47.5点
6位:埼玉、大阪、熊本、沖縄 45点
【皇后杯結果】
1位:茨城 62.5点
2位:石川 50点
3位:大阪、熊本 45点
5位:広島、香川 40点
7位:東京、福岡、鹿児島 35点
弊誌「スポーツイベント・ハンドボール」では、11月19日発売の12月号で、今大会を特集します。お楽しみに。
国体の詳細結果などは、日本ハンドボール協会HPにてご確認を。
http://www.handball.jp/games/2016/kokutai/2016kokutai.htm