2013年12月19日
セルビアで開催中の第21回世界女子選手権は現地時間18日、決勝トーナメント2回戦が行なわれ、準決勝へ進む4チームが決まりました。
その中で注目を集めるのは4強の中で唯一の非ヨーロッパチームであるブラジルと、地元での躍進がめだつセルビアの2チームでしょう。
ブラジルは予選リーグでは日本と同じB組に入り、安定した戦いで首位通過。
決勝トーナメント1回戦ではオランダを下し、そして強豪ハンガリーとの試合はまさに激戦でした。
流れが二転三転する試合は、60分では決着がつかず延長戦へ。さらに10分経ってもスコアは同点のまま。第2延長でやっと勝敗が決まるという試合でした。
昨年、国際ハンドボール連盟が表彰する世界最優秀選手賞を受賞したブラジルのナッシメントはこの試合10得点と大活躍し、同国史上初のメダル獲得に王手をかけました。
延長だけで4得点。ハンガリーを突き放したブラジル・ナッシメント
激戦を制して喜びを爆発させるブラジルベンチ(一番上の男性はコーチです)
この日も現れたブラジル人サポーター。やはり同じ格好だった
そのブラジル以上に会場を盛り上げたのが地元セルビア。国民の大きな期待を背負いながら戦い続け、この日の相手はディフェンディング・チャンピオンであり、オリンピック王者であるノルウェーと最強の敵になりました。
試合は会場につめかけた多くのセルビア人サポーターが「8人目の選手」となり、女王に襲いかかります。ノルウェーの動きは流石で、プレッシャーを感じていないかのようなプレーを見せ、後半12分まで21−16とリードをします。
しかし、ここから急にノルウェーの攻撃が低調になり、得点が伸びません。7mTも連続でミスしたことでセルビアが一気に試合をひっくり返します。ポストにボールを集め、密集したところを展開してカットインで得点するなど、おもしろいように得点が決まり、ノルウェーからリードを奪います。
そしてそのまま試合終了に。28−25でセルビアが詰めかけた1万人以上の観客と最高の夜を味わいました。
セルビア対ノルウェーの試合は観客数が16028人を記録し、女子の国際大会で歴代最高記録を更新することになりました。
勝利を確信し、ボールにキスをするセルビア・ダムヤノビッチ
セルビアを後押ししたサポーター。ノルウェーの攻撃時には大ブーイングで審判の笛が聞こえない状態に
ノルウェー戦の勝利を伝える翌日の地元紙。この日は1面のほかに3ページも特集していた
ベスト4に駒を進めた残りの2チームは伏兵ポーランドと、デンマークの2ヵ国。
ポーランドは予選リーグでC組3位とノルウェー、スペインに次ぐ通過でしたが、決勝トーナメントに入るとルーマニアに逆転勝利。そして前回大会準優勝のフランスに勝利して、初の準決勝進出を決めました。
デンマークも予選リーグではB組3位の通過でしたが、ヨーロッパ王者であるモンテネグロと好調ドイツを次々に撃破し、2大会連続の準決勝へ。デンマークは次回の2015年大会の開催国。地元大会の前に優勝した1997年以来のメダルを持ち帰りたいところです。
結果的に、日本が所属したB組のブラジル、セルビア、デンマークの3チームが準決勝に進むということになりました。
現地時間20日に行なわれる準決勝の組み合わせは以下のとおりです(カッコ内は日本時間)。
【世界女子選手権準決勝】
18:00 ポーランド−セルビア(20日26:00)
20:45 デンマーク−ブラジル(20日28:45)
デンマーク−ブラジルは予選リーグの時は23−18でブラジルが勝利しています。
果たして、今回はどちらのチームに勝利の女神が頬笑むでしょうか。
ブラジル対ハンガリーの試合を担当したセルビア人審判の足に、こんなタトゥーがありました。
左足になにか書いてあります。よく見てみると
「裁判员 手球」
なんかすごく惜しい!!