2019年3月14日
昨年9月から7ヵ月に及んだ第43回日本リーグもいよいよ大詰め。2018-19シーズンの王者を決めるANA CUP 第43回日本リーグ・プレーオフが、3月15日から17日にかけて、東京・駒沢体育館で行なわれます。
1位でプレーオフ進出を決めたのは大崎電気です。10月に連敗を喫しましたが、そこから破竹の11連勝。第20週で豊田合成を破り首位通過を決めました。
昨シーズンからの主力に加え、大型新人の玉川が加わり、中央のDFの厚みが増しました。OFではだれかに偏ることのない得点力が魅力。ゲームをコントロールする岩永、植垣コンビがシーズンをとおして安定していたのも大きな要因です。2人のほかにポストも使えるベテラン宮﨑や鋭いフェイントでDFを切り裂く馬場などセンターの選択肢は他チームに比べて圧倒的に多く、チームのストロングポイントと言えるでしょう。東長濱が年明けに故障し、プレーオフに間に合うか微妙なラインなのは不安材料ですが、右サイドの元木が右バックでも遜色ないプレーを見せ、柴山も安定した活躍を残しています。1試合に集中できるメリットも後押しし、優勝へ最も近いと言えるでしょう。
「打倒、大崎」の一番手にあがるのが2位の豊田合成です。レギュラーシーズンをチーム史上最高位でフィニッシュし、2月の日本選手権では初優勝。キャプテンの小塩が「勢いはうちが一番」と胸を張るのも納得の状況です。プレーオフに進出した昨シーズンは高い攻撃力を武器に勝ち進みましたが、今シーズンはDFを強化してきました。趙顯章、橋本を中央に置き、196cmのウーゴと水町を2枚目にし、攻撃的なDFを展開。
OFでは左バックに入る水町とポストの橋本の2対2が機能するかがポイントです。ここで点が取れると、左腕・趙や両サイドの出村、中尾のチャンスが広がります。前回は初めてのプレーオフの雰囲気に飲まれたところがありました。今回はその悔しさを晴らしたいところです。
3位の車体は、守りの要・笠原が手を負傷したものの、レギュラーシーズン最終戦で復帰。堅牢な6:0に欠かせない人物が戻ってきました。1月の世界選手権で活躍したGK甲斐を軸に、DFから流れを作れるかが明暗を分けそうです。
OFではベストセブンに選ばれた左バック吉野、左サイド杉岡の日本代表コンビに注目が集まります。吉野は独特のスイングから打点の高いミドルシュートを突き刺しチームトップの得点数を記録。昨シーズン、ケガで出遅れた杉岡は、今シーズンは序盤から安定して活躍し吉野に次ぐ得点源になっています。この2人の活躍に石戸、藤本らが刺激を受けるなど相乗効果を生んでいます。優勝のためには3連勝が必要と高いハードルが待ち構えていますが、しっかりと準備をし、虎視眈々と決戦に備えていることでしょう。
4位の大同は昨シーズンからメンバーの大きな変化はなく、上位3チームと選手層を比べるとやや苦しいところ。サイドの吉田がシーズン後半に入って戦力として数えられるようになり、ポストの加藤が悩まされていた首のヘルニアから復帰と明るいニュースもあった今シーズン。
懸念材料は右バックのポジションです。野村が引退し、期待の新人・斎藤も家庭の事情で退団。尹時烈、藤江、東江と右利きは揃っているだけに、左腕が池辺1人は苦しいですが、岸川監督は1月の世界選手権でデンマークが右利き3枚で世界を制したことを参考にしながら、新しいパターンも模索しているようです。プレーオフ18連勝が3季前にストップし、「プレーオフといえば大同」のイメージはやや薄れましたが、それでも怖い存在なのは間違いないでしょう。唯一4位から勝ち上がった経験を持つだけに、今回もなにかが起きるかもしれません。
試合の模様はJSPORTSでの生中継が予定されています(初回のみ無料放送)。
ネット中継やチケット情報など、プレーオフの詳細は、JHL公式ホームページから確認できます。
男子のプレーオフは以下の日程です。
【男子プレーオフ日程】
・3月15日(金)
19:10~ 男子1stステージ トヨタ車体(3位)-大同特殊鋼(4位)
・3月16日(土)
14:10~ 男子2ndステージ 豊田合成(2位)-1stステージ勝者
・3月17日(日)
15:15~ 男子FINAL 大崎電気(1位)-2ndステージ勝者
※会場はすべて東京・駒沢体育館
※オープニングセレモニーは1stステージ、2ndステージは10分前、FINALは15分前