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2019年11月24日

JAPAN CUP第2戦・日本vsフランス戦レビュー

21日に東京・国立代々木競技場で開幕したJAPAN CUP2019・女子は、23日に2日目が行なわれました。

 

1試合目はスロベニア対ブラジル戦。前半を16-15とブラジルの1点リードで折り返すなど、序盤から一進一退の攻防を繰り広げ、終盤まで接戦が続きました。そんな中でエース・グロスを中心に得点を重ねていたスロベニアが、3連続得点で23分29-25と混戦を一歩抜け出します。さらに、ブラジルの猛追にあいながらも、試合終盤に再び3連打して勝負あり。33-29でスロベニアが勝利をつかみました。

 

続く2試合目は日本代表・おりひめジャパンが、現・世界女王であるフランスと対戦。おりひめジャパンは、田邉(LW)、角南(果、PV)、藤田(RW)、角南(唯、BP)、大山(BP)、佐々木(BP)、GKには亀谷、DFは6:0で、中央に永田(し)、塩田が入る布陣でゲームをスタートしました。

先制点は日本。センター大山が自らのカットインで獲得した7mTで得点を奪います。その後、フランスに2連打を許したものの、日本も田邉のサイドシュート、永田のポストシュートなどで得点していきます。

それでも試合の主導権を握っていたのはフランスでした。日本は長身ポスト・ヌグオンを中心に崩しにかかるフランス相手に苦戦。それでも、体格で勝る相手に積極的にアタックしたり、DFシステムを切り替えて対応したりと、さまざまな対策を練って先行するフランスの背中を必死に追いかけます。

8-9とした前半19分からは、約7分間にわたりフランスに無失点に抑えられる苦しい時間もありましたが、OFがうまくいかない分、DFで踏ん張って簡単には相手に得点をさせず、11-15で前半を折り返しました。

 

しかし、後半もフランスのペースで試合は進みます。ポストを中心としながらも、スキがあるとみればバックプレーヤー陣が鋭いシュートを打ち込み得点を伸ばしていきます。

それに対しておりひめジャパンは、追いつくには及ばなかったものの、GK亀谷が好セーブを見せ、CP陣も相手の速攻に対して素早く帰陣して簡単な失点を防ぐなどDFで奮闘。OFでは相手の激しいアタックに流れを分断されたり、パスカットで速攻に持ち込まれたりと、なかなか思うような攻撃をさせてもらえませんでしたが、それでも、田邉、藤田らサイド陣がチャンスを確実に得点につなげ、河田、多田らが鋭いカットインで打開の糸口を作るなど、次につながるプレーが見られました。

 

DFの要である原が戦線離脱し、DFの形を再構築している最中のおりひめジャパン。フランス戦では粘り強く守り続け、失点を防ぐ場面もありましたが、その一方で、フランスの187cmの長身ポスト・ヌグオンに7得点を奪われてしまいました。大型ポストに対し2人でしっかり挟んで守り切る場面がありながらも、相手に充分なスペースを確保されてシュートまで持ち込まれることも。世界選手権へ向け、長身ポストをどう守るかもポイントの1つとなりそうです。

フランスのポスト・ヌグオンは長身を活かしたプレーで日本を苦しめた

フランスのポスト・ヌグオンは長身を活かしたプレーで日本を苦しめた

 

試合をとおして安定した活躍で日本の失点を抑えたGK亀谷

試合をとおして安定した活躍で日本の失点を抑えたGK亀谷

 

▽JAPAN CUP 2019・女子
スロベニア 33(15-16、18-13)29 ブラジル
フランス 28(15-11、13-12)23 日本
【得点者】5点:藤田、大山、4点:石立、3点:多田、2点:角南(果)、角南(唯)、田邉、秋山、佐々木、1点:永田(し)

 

以下、選手採点・寸評です。
【選手採点・寸評】 ※背番号、名前(ポジション)、採点(5点満点)、寸評の順

No.2 永田美香(PV) 2
スロベニア戦と同様に7人攻撃への参加など出場時間が限られ、その中で印象を残すことができず。

No.3 角南果帆(PV) 3
フランスの強固なDFを前に、チャンスは少なかったが、全員でつなげたボールをしっかりゴールにつなげた。

No.4 角南唯(BP) 3
積極的にミドルを狙ったが、ゴールにつながらず、この日はカットインの1点のみにとどまった。

No.5 塩田沙代(LB) 3
中央のDFとして大型ポストの対応に奮闘。守り切れないこともあったが、周囲と連携して相手OFを分断することも。

No.7 藤田明日香(RW) 4
勝負所で回ってきた数少ないチャンスを高確率で決めて、DFでもルーズボールで身体を張るなど、攻守で活躍した。

No.13 勝連智恵(LW) 3
1本目のシュートこそバーに阻まれたが、その後7人攻撃では佐々木と連携してスカイプレーを決めるなど印象を残した。

No.15 多田仁美(BP) 3
OFでは持ち味のカットインで日本OFにアクセントを加えたが、DFでは相手のスピードに乗ったプレーを守り切れなかった。

No.16 宮川(GK) -
守護神・亀谷が好プレーを見せていたこともあり、出場チャンスは訪れず。

No.18 田邉夕貴(LW) 3
DFでは2枚目で身体を張り、OFでは得点がほしい場面でサイドシュートをきっちり沈めるなど、役割をしっかり果たした。

No.20 秋山なつみ(RW) 2
後半からの出場。何度か得点チャンスは訪れたが、それを活かし切れずに無得点に終わった。

No.25 大山真奈(BP) 3
自ら積極的にゴールを狙って、チーム最多の4得点を獲得。次はもっと周囲を効果的に使い、ほかの選手の得点も増やせるか。

No.27 佐々木春乃(BP) 3
試合序盤、持ち味のロングを決めたあとは、なかなかチャンスを活かせず2得点にとどまったものの、アシストで貢献した。

No.28 永田しおり(PV) 3
DFの主軸として体格で勝る相手にも積極的にコンタクト。長身ポストには手を焼いたが、複数のDFシステムDFで一定の手応えも。

No.30 亀谷さくら(GK) 4
DFと連携しながらポイントを抑えるだけでなく、1対1の場面でも勝負強さを発揮して日本の失点を抑えた。

No.41 河田知美(BP) 3
第1戦では決め切れなかった7mTをしっかり得点につなげ、セットOFでも強気のアウトカットインからゴールを奪った。

No.81 石立真悠子(BP) 4
劣勢の中でも鋭いカットインで得点機を演出。DFではクロスアタックで相手OFの流れを断ち切って、失点を抑えた。

 

次戦は24日。日本は17:30からブラジル代表と対戦します。その後、20:00からは、今大会の最終試合であるスロベニア-フランス戦が行なわれます。


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