2015年3月11日
東北地方を中心に、日本を襲った未曾有の大震災から4年が経ちました。
弊誌では4月発売の2011年5月号において、その年にロンドン・オリンピックのアジア予選を控えていた日本代表メンバーを筆頭に、海外の著名ハンドボーラーからも被災地に向けた多くのメッセージをもらい、掲載しました。
そのメッセージのいくつかをここに再掲載します。
植松伸之介さん
当時EHVアウェ(ドイツ2部)で選手として活躍。2014-15シーズンからZHCグルベンランプ(ドイツ4部)の監督に就任。先日、シーズン途中で解任となったが、選手として引き続きオファーを受けている。海外で活躍する日本人選手のパイオニア的存在。
「ドイツでも被災地や原発事故などが連日報道され、胸がえぐられるような気持ちで見ています。
震災後、ブンデスリーガでは全試合で試合前に1分間の黙祷が被災地へ捧げられました。募金活動も活発で、私も3月19日のホームゲームで募金活動を行ないました。予告なしでしたが、多くの人が協力してくれ、たくさんのお見舞い、励ましの言葉を受けました。
父母と生徒たちが協力して行なう近くの学校での募金活動にも参加しました。ドイツの子どもたちにはあまりなじみのない日本の危機的な状況を、心から心配しておこづかいから募金し、被災者の方々の助けになりたいという気持ちがうれしく、胸が熱くなりました。
15日にはアウェイゲームにもかかわらず、多くの人からお見舞いと励ましの声をかけられました。多く言われたのが、この緊迫した状況でも被災地の方々が落ち着き助け合っていることに感動したということです。私も同じ日本人として誇らしい気持ちになりました。
被災地では私が想像もできないような苦労をされている方々がたくさんいると思いますが、ドイツでも多くの人々が日本を応援し、1日も早く被害の悲しみから立ち上がり、元の生活に戻れるように祈っています。
がんばってください!」
ミケル・ハンセン(デンマーク)
現PSGハンドボール/フランス、当時AGコペンハーゲン/デンマーク
デンマーク代表のエースで、先日の世界男子選手権でも活躍した。
「日本のみなさん、そして、日本のハンドボール仲間のみなさんへ。
この度の震災に心より深くお見舞い申し上げます。
どうかお気持ちを強くもって、困難に立ち向かってください。
日本は素晴らしい国です。
いつまでも立ち止まっていないで必ず復興されると信じています。
みなさんを思って祈ります」
キャスパー・ヴィット(デンマーク)
現KIFコーディング・コペンハーゲン/デンマーク、当時AGコペンハーゲン/デンマーク
長きにわたってデンマーク代表のゴールマウスを守った名GK。母国に戻り、39才になった今も第一線でプレーを続けている。
「日本のハンドボール仲間のみなさんへ。
みなさんが無事でいることを願っています。
どうか元気を出してがんばってください。
日本のみなさんへ。
震災で被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。
少しでも早く状況が改善されますように。
そしてみなさんが日常を早く取り戻せるように願っています」
リュボミール・ブラニエス(スウェーデン)
SGフレンスブルグ監督/ドイツ
現役時代は166cmの小柄ながら、80㎏とガッチリした体躯を武器に、大型選手にも負けないサイドマンとして活躍。ハンドボール王国・スウェーデン代表の一員として熊本世界選手権(97年、銀メダル)にも出場している。13-14シーズンにはフレンスブルグをチャンピオンズリーグ優勝に導いた。
「大変な災害に見舞われてどれほどつらい立場でいられるかと心を痛めています。
でも、顔を上げて前を向いてください。
心が折れそうになってもあきらめないでください。
スポーツを通じて我々の心はひとつです。
どうか日本のみなさんが早く元気を取り戻されますように。
そして、日本代表チームはオリンピック予選を勝ち抜きますように。ロンドンで会いましょう」
ニコライ・ブロストロムさん(デンマーク)
コーディネーター、そして特別コーチとして、日本代表チームのデンマーク合宿には欠かせない存在。
「日本のみなさんへ。
この度の震災に心よりお見舞い申し上げます。
本当に信じられないことが起こってしまいましたが、私の心はみなさんとともにあります。
どうか元気を出してこの困難に負けないでください。
代表チームのみなさん、日本のすべてのハンドボール仲間のみなさんへ。
ハンドボールという素晴らしいスポーツを通じて互いに支えあい、この困難を乗り越えてください。
ハンドボールで日本のみなさんに元気を与えてください。
熱く闘う気持ちでがんばってください」
(協力:酒巻清治トヨタ車体監督)