2015年3月16日
3月21、22日に東京・駒沢体育館で開催される「ANA CUP 第39回日本ハンドボールリーグ・男子プレーオフ」の記者会見が16日、東京・岸記念体育会館で行なわれました。
今回は第32回大会以来となる男女別開催。すでに女子は3月1日に終え、北國銀行が優勝しました。こちらの熱戦のもようは、3月20日発売の弊誌4月号でお伝えします。
女子同様、男子もレギュラーシーズン1位の大崎電気をはじめ、2位・トヨタ車体、3位・大同特殊鋼、4位・琉球コラソンまでの4チームが出場します。
とくに注目を集めるのが、男子のクラブチームとして、初めて駒沢行きを決めた琉球。日本リーグ機構の多田博会長も冒頭のあいさつで「新しい波を起こしている」と興奮気味に話しました。
レギュラーシーズンを1位で終えた、大崎電気の表彰のあと、会見に出席した各チームの監督が今シーズンの振り返りとプレーオフに向けての意気込みを、選手がチームのアピールポイントを話しました。
・レギュラーシーズン1位 大崎電気 16戦16勝 勝点32
岩本真典監督「シーズン途中にケガ人が出たりして、つねにベストな状態ではなかったが、なんとか負けることなく終えることができた。ただ、レギュラーシーズンとプレーオフは別物。今シーズンが始まった時から、プレーオフにピークを持っていくことを目標にしていた。今はそれをめざしている状態。簡単にいかないと思うが、一戦一戦、チャレンジャーの気持ちで戦い、優勝したい」
岩永生選手「大崎の強みは、だれが出ても同じプレーができること。この1年、チームとしてなにをやるか落とし込んできたので、そこを発揮したい。キャプテンとして、試合に出ている時も出ていない時も勝利のために、チーム一丸となれるようにやっていきたい」
・レギュラーシーズン2位 トヨタ車体 16戦14勝2敗 勝点28
酒巻清治監督「チームの戦術自体に昨シーズンから大きな変化はなく、堅守から攻守の切り替えを早くして、ハンドボールの4局面(セットOF、速攻に対するDF、セットDF、速攻)で、クオリティーの高い戦いをすることを心掛けてきた。しっかりとした基本スキルを精度の高いプレーの中で発揮し、ベンチ入りしたメンバー全員で内容のあるハンドボールを展開してきたい。今シーズンは、DFでは笠原(謙哉)、OFでは津屋(大将)と熊谷(昂)などの若手、中堅あたりが伸びてきた。うれしい誤算で、チームの底上げができつつある。新旧交代とまでいかないが、選手層が厚くなってきている。選手のケガなどもありながら、2位という結果でこれた。毎年、2位が続いているので、チーム一丸となって1位を勝ち取りたい」
木切倉真一選手「DFではアグレッシブに仕掛けるところ、OFではフィジカルを活かしたプレーがチームの特徴。個人としては、自分は身体が小さいが、小さい選手がいかに大きな選手に戦っていくかを見てほしい」
・レギュラーシーズン3位 大同特殊鋼 16戦10勝1分5敗 勝点21
末松誠監督「今シーズン、よかったことは、若手が試合経験を積み、チームのボトムアップができたこと。悪かったところは、いい試合と悪い試合の波が激しかったところ。レギュラーシーズンではなかなかトップレベルのプレーができなかったが、プレーオフは別物と考えている。どれだけチームが一丸となれるか、またチャレンジ精神を持って戦えるかもカギになってくる。キャプテンの岸川(英誉)中心に、まとまって、いい結果を出したい」
岸川英誉選手「チームのアピールポイントはやはりチームワーク。ずっと強化してきた。個人的には、そのチームワークを発揮できるように、試合に出ていない時でも全力で声を出してまとめていきたい」
・レギュラーシーズン4位 琉球コラソン 16戦7勝1分8敗 勝点15
東長濱秀吉監督「プレーオフ出場をめざし、選手、スタッフが一丸となってめざしていたが、今シーズンはうまいスタートを切れなかった。結果も通常ならば、プレーオフに出場できない数字。だけど、最終戦でなんとか出場できることになった。力でもぎ取ったというよりも、本当に参加させてもらえるという気持ち。初出場ということで、いろいろなプレッシャーは多少あるが、スタートから緊張せずにいけたらと思っている。対戦相手の大崎とは、レギュラーシーズンの1戦目でいい戦いができたが、2戦目では力の差を感じた場面もあった。だけど、プレーオフはトーナメントなので、大崎を苦しめて勝ち上がりたい」
水野裕紀選手「チームとしてのアピールポイントは、豊富な運動量と、スピードを生かしたプレー。この2つに注目してほしい。また、DFの形をいろいろ変えながら、速攻につなげていきたい」
全員のコメントが終わると、質疑応答に移りました。
Q:大崎の岩本監督へ。2大会前も全勝で望みましたが、当時は足下をすくわれる形となりました。今大会はどのようにして戦うつもりですか。
大崎・岩本監督「全勝というのはもう終わったこと。シーズンが始まった時からすべてプレーオフのためにやってきた。プレーオフはレギュラーシーズンの結果が反映されないので、別の大会、別のトーナメントと思っているし、そのための準備を今はしている」
Q:4監督にお聞きします。今シーズンのベストの試合を教えてください。
大崎・岩本監督「つねに反省、課題が出る中でやってきたので、監督としてよかった試合はあまりない。だけど、プレーオフがよかった試合と言えるように戦いたい」
車体・酒巻監督「1試合とおしてとなるとないが、あえて言うと、広島での湧永製薬戦(11月1日)とトヨタ紡織九州戦(11月2日)。強みであるセンターラインの笠原が使える目処がついた試合で、今シーズンを占う重要な試合の1つだった」
大同・末松監督「開幕戦の豊田合成戦(10月25日)。この試合は負けてしまい(25-28)、すべてにおいてデキが悪かった。昨年のプレーオフ優勝チームがスタートから負けてしまったのは、チームワークも、DFの徹底も、OFも中途半端だった。だけど、それが試合に出ると負けてしまうことをチーム全体で考え直すいい機会になった。結果こそ負けだが、ある意味、いろいろなことがプラスになった試合だった」
琉球・東長濱監督「チームとしては、勝てた試合はすべて良しという形だが、やはりプレーオフを決めた最終戦(対豊田合成)が一番いい試合だった。相手を20点前半に抑えるのを目標にしていたので、それができたのがよかった」
Q:プレーオフで 勝利のカギになる選手を教えてください。
大崎・岩本監督「OFでは、シーズンとおして成長してきた植垣(健人)らの若い選手が、自分の持っている力を出してくれることが重要。DFでは中央を守る選手と、GK木村(昌丈)と東(佑三)がしっかり仕事をしてくれればと思っている」
車体・酒巻監督「DFではGK甲斐(昭人)、センターラインの笠原が機能すること。OFでは、木切倉のゲームメイクと、右サイドの渡部(仁)が得点を重ねられれば、我々のゲームになる」
大同・末松監督「特定の選手でなく、攻守においてベテランの選手がどれだけやれるか。また、キャプテンの岸川がどれだけチームをまとめてくれるかも大きなポイントになる」
琉球・東長濱監督「DFに関しては、内田(武志)と石田(孝一)の両GKがいいキーピングをしてくるか。OFでは両サイドに入る選手がいかに決めてくれるかがカギになってくる」
以上で会見は終了、あとは準決勝に備えるだけとなりました。
21日に行なわれる準決勝のカードは以下のとおりです。
準決勝1 13:10~
大崎電気×琉球コラソン
準決勝2 15:20~
トヨタ車体×大同特殊鋼
決勝は翌日22日の14:15から準決勝の勝者同士が戦い、今シーズンの王者が決まります。
優勝したチームは、4月16~18日に大分県で開催される第12回東アジアクラブ選手権の出場権を得ます。
また、女子に引き続き、男子の試合もインターネット中継されます。
こちらのURL( http://univ-sports.tv/static_pages/view/hb_2015/ )から視聴可能です。
前売りチケットなど、プレーオフの詳しい情報は、日本リーグ公式サイトにて。http://www.jhl.handball.jp