2015年6月17日
日本ハンドボール協会は16日、東京・岸記念体育会館で記者会見を開き、3月末に行なわれた第38回全国高等学校選抜大会(高校センバツ)における処分、および日本男子代表8選手による味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での規則違反(禁煙エリアでの喫煙)についての処分を発表しました。
会見に出席した日本ハンドボール協会の川上憲太専務理事(兼強化本部長代行)は2つの不祥事に対し陳謝し、6月13日に開かれた理事会で決定した処分内容を説明。
男子決勝が中止になった高校センバツに関しては、大会委員長の川上専務理事ら4人に厳重注意の処分が下されました。
日本男子代表の規則違反については、すでに代表活動から離れている当該選手の8人に厳重注意と更正強化プログラムを受講させていることを明かしました。また、岩本真典監督に厳重注意、スタッフ3人には厳重注意と更正強化プログラムの指導をすることに。強化委員長を務める田口隆氏ら強化スタッフ3人にも厳重注意が下されました。
更正強化プログラムについては、5月2日からすでに始まっており、個人面談、禁煙外来の受診、強化委員会が指定した8冊の本の感想文提出などを行ない、個別にDVDを渡しフィジカルトレーニングを課しているとのこと。こうした更正強化プログラムの成果を6月20日を目処に判断し、代表活動に復帰させるか決めるようです。
また、8選手は地域社会貢献活動として2011年に起きた東日本大震災の被災地で中高生を対象とした講習会を開きます。こちらは6月20日のという期限を設けず、スケジュールが合い次第行なう予定。
禁煙外来について、「今回の問題はルールを破ったことが問題ではないのか。喫煙について日本協会はどのように考えているのか」という報道陣からの質問に対し、「利用規程を守らなかったことと、喫煙行為があったという2つの観点があり、こうした更正プログラムになった。協会から選手たちに全面禁止とするのでなく、喫煙のことを学ばせたあと、(吸うか吸わないかは)個人に判断させる」と日本協会としての考えを伝える川上専務理事。
リオデジャネイロ・オリンピック予選(カタール)の開催が11月と、すぐそこまで迫っている中、強化に大きな支障を来す事態となりましたが、川上専務理事は「日本代表として覚悟を持たせたということが重要。決して無駄な時間ではなかった。みなさんには結果で見てもらいたい」と話しました。
日本男子代表は、6月23日から第3次強化合宿をNTCで予定しており、当該選手8人は日本オリンピック委員会(JOC)から8月25日までNTC、および宿泊施設(アスリートビレッジ)の使用が禁止されているため、日本協会が代表活動への復帰を認めた場合、合宿の場所を変更することも考えているようです。
なお、高校センバツの決勝中止の経緯については、本誌5月号に掲載したページを弊社ホームページで公開しています。