2015年6月25日
主力出場できっちりと勝利。大型選手対策にも手応え
text by 久保 弘毅(スポーツライター)
6月24日 国際強化試合・ブラザー体育館(愛知)
日本女子代表 24(11-6、13-15)21 SKオーフス
SKオーフスとの2戦目。若手中心だった初戦と異なり、この日はベテラン・主力の東濱、石立、横嶋(か)がスタートから出場した。
立ち上がりから日本はリズムよく得点を重ね、石立のアウト割り、ポストの横嶋(か)からのパスを受けた角南のミドルなどで6-1とリードを奪うと、その後も東濱、石立のステップシュートなどで10-3と差を広げた。
オーフスもGKユンカーが2本続けて7mスローを阻止して踏みとどまり、エースのオーレンドルフの得点で徐々に点差を詰めていく。後半に入ると4連取で1点差まで追い上げると、大型ポストの得点で12-12の同点に追いついた。
しかしここから日本が粘り強さを見せる。ポストの横嶋(か)からのリターンパスを受けた石立が切れ込み再びリードを奪うと、横嶋(か)がパスカットから速攻に走り14-12とする。1点差に追い上げられてからも、角南が石立とのクロスからポストパスを通すなど、効果的な得点で突き放す。19分には石立からのパスに合わせて走りこんだ角南のシュートが決まり20-17とした。
残り10分を切ってからは得点がやや頭打ちになったが、それでも角南を起点に追加点をあげた日本が24-21で勝利した。
後半大活躍だった角南は「前半は消極的になっていたけど、後半はイメージしていた攻撃ができました。絶対的なエースはいないけど、全員が機動力を使って、相手を揺さぶるプレーを意識しています」と、後半に足が動いたことを勝因にあげていた。
効果的に得点に絡んだ横嶋(か)は「石立のマークが厚くなった分、角南のスペースが広くなったので、クロスで押し込んでからの(ポストの)ブロックが効果的でした」と振り返る。センターから切れ込める石立、飛ばしパスを出せる東濱が入ると、チーム全体の得点が伸びる。
2戦目を勝利で終えた栗山監督は「小さくてもポストで得点できる横嶋(か)は日本のオリジナリティー」と、ポストが機能したセットOFに満足の様子。またDFではキャプテンの本多が「以前のような攻め続けるDFから、一度ゾーンを締めてから攻めるDFに変わりました」と話すように、メリハリの効いたDFで大型選手の動きを封じた。
リオ・オリンピック予選で対戦するカザフスタン、中国を想定した今回のSKオーフスとの強化試合。大型選手対策という点では充分な収穫があったと言っていいだろう。