2016年4月19日
茨城県つくば市に県内初の中学生クラブチームが誕生しました。その名は『つくばハンドボールクラブ(HC)』。同市を中心に活動するNPO法人『つくばフットボールクラブ(FC)』の組織内にできたハンドボールチームです。
サッカー主体の総合スポーツクラブにハンドボールのチームができるのは全国的にも珍しいこと。
チーム立ち上げに伴い、17日に発足式と初回練習会をイオンモールつくばにあるスポーツシューレつくばで行ないました。
練習会には中学生男女8人が集まり、高校生(女子)も1人飛び入りで参加。
つくばHC代表を務める植村和博さんからの説明のあと、さっそく練習へ移りました。
しかし、この日は強風とあいにくの雨で、大荒れの天気に。外での練習を早々に切り上げ、クラブハウス内にある室内スペースでの練習へ。遊びの要素を入れながらみんなで楽しく初練習を終えました。
そもそもなぜつくばHCが立ち上げられのでしょうか。茨城は小・中・高のカテゴリーで日本一の経験がある強豪県で、守谷市や常総市などハンドボールが盛んな地域も多いです。
しかし、つくば市内にある14の中学校のうちハンドボール部があるのは手代木中などわずか3校。こうした状況もあり、地元の小学生チーム『筑波学園ハンドボールクラブ』などでプレーしていても、進学した先の中学校にハンドボール部がなく、競技を続けられない子どもが多くいました。実際、今回の参加者もほとんどが小学生チームでプレーしていましたが、進んだ中学校にハンド部がなかったようです。
そうした子どもたちを見てきて「なんとかプレーする環境を作ってあげたい」という思いを持っていた植村さんが、つくばFCに協力を得て、つくばHCを立ち上げました。
チームの目標は、夏の中学生クラブチームカップ(大阪)や、春の全国中学生選手権大会(春中、富山)へ出場することです。同時に、子どもたちの技術向上、そして「自己判断できる人間性の成長」(植村さん)もめざしています。
ほかのチームにはない強み
全国には中学生を対象としたクラブチームはありますが、ほとんどが独立したチーム。前述のとおり、つくばHCはつくばFCの組織内にできたチームなので、少し違います。
ではサッカークラブの中にあることで得るメリットとはなんでしょうか。
植村さんは「施設やクラブ運営での協力が非常に大きい」と話しました。
例えば練習場所の確保。メインの練習場所になるスポーツシューレつくばは、つくばFCが運営するフットサルコートです。フットサルとハンドボールはコートの大きさが同じなため、毎回コートを作らずに練習ができます。屋外、人工芝での練習となりますが、安定して練習場所を確保できているのは、大きなメリットです。雨が降っても室内で身体を動かせるスペースがあるので、そこを使用するとのこと。
人材の発掘という面でも植村さんは今後の可能性を感じていました。中学校のハンドボール部に所属していなければ加入できるので、ほかの競技をしながらハンドボールができることになります。サッカーチームがとなりのコートで練習するので、そこからハンドボールに興味を持つ子が現れるかもしれません。
また、中学校の部活に所属している選手はチームに加入はできませんが、練習に参加するのは可能とのこと。茨城県内の競技レベル向上にもつながります。
ほかにもつくばFCが培ってきたクラブ運営のノウハウを、つくばHCにも活かせることでしょう。
これからは県の中体連との連携も必要になります。植村さんはチーム発足を前に、県協会と中体連の会議に出席し、事情を説明してきました。そこで春中の代表チーム決定戦や、JOCジュニアオリンピックカップの出場選手選考方法などを提案。「県の方向性が決まってから大会に出ていきたい」と植村さんも慎重な姿勢を見せます。
中体連側はつくばHCができたことに対しては「チームが増えるのはよろこばしいこと」とおおむね好意的に受け取っているようです。
つくばHCの初陣は、6月の関東クラブチームカップ(千葉)の予定。その前に、選手を集めるのが必要になりますが、今回の練習会後に入会を申し込んだ中学生もいたようです。
まだ始まったばかりですが、つくばHCが大きな一歩を踏み出したのは間違いありません。つくばHCが新しいクラブチームのモデルになれば、ハンドボール界発展にもつながるはずです。
1月 27th, 2018 at 1:25 PM
進学する中学にはハンド部がなく、今回、つくばにHCが出来たとのこと、嬉しく思うと同時に、日程等、調整出来れば、息子にやらせたい気持ちでいっぱいであります。