rss
スポーツイベント・ハンドボール編集部
スポーツイベント・ハンドボール編集部スタッフが取材のこぼれ話などをつづります
  • Home  » 
    • 編集部ブログ
     » 
    • オリンピック女子世界最終予選(遅ればせながら…)

2008年4月11日

オリンピック女子世界最終予選(遅ればせながら…)

日本女子代表が挑んだ北京オリンピックIHF世界最終予選。
日本の北京オリンピックへの出場の夢は叶いませんでした。
大会は開催前からのCAS裁定騒動で大混乱。
韓国の勝った「再予選」が認められず、
韓国が最終予選に組み込まれたことから、
日本は直前になって3組から2組に変更。
開催地がフランスからルーマニアに変わったばかりか、
対戦相手も変わるというドタバタでした。
日本代表がそれを聞いたのは直前合宿を行っていたオランダ。
急きょ航空便を変更し、ルーマニアへと乗り込んだそうです。
また、この混乱に巻き込まれたのは代表だけではなく、
取材する私も被害を被りました。
私は当初、オランダ経由フランス入りを予定していましたが、
航空便の関係でオランダ経由でフランス入りしたあとに
ミラノを経由してルーマニアに入るという、
すさまじいコースになってしまいました。
試合の詳細などは4月19日発売の5月号に譲りますが、
ここでは唯一勝利したポーランド戦での
選手たちの健闘ぶりをご紹介したいと思います。
世界のトップゾーンにいるルーマニアに力の差を見せつけられて敗れた翌日、
勝負所となったポーランド戦を迎え、選手たちの気合いは最高潮に達していました。
試合前、ホテルで行なわれたミーティングでは、
ベルト・バウワー監督からの発言ばかりでなく選手たちが積極的に意見を出し、
熱い思いをぶつけ合う、いいミーティングができたそうで、
選手たちの表情もこれまで以上にたくましく感じました。
試合に入ると、世界選手権11位の実力を持つポーランドを相手に
日本がスタートダッシュをかましました。
小松選手の速攻と巧みなサイドシュートは
ルーマニアを応援にきていた地元観客を虜に。
また、東京での「再予選」の反省をいかし、
藤本コーチが指導してきたというアグレッシブなDFが目を引きます。
DFのスペシャリスト青戸選手の闘志むきだしの姿、
これまで出場機会に恵まれず、悔しい思いをしてきた大前選手のクロスアタックなど、勝ちたい気持ちを全面に出して戦う選手たちに心打たれました。
後半途中からは不正入場により
一時4人になるというピンチを迎えましたが、
そういう場面で一段と輝きを増すのが
日本の「生きる伝説」、田中美音子選手でした。
鬼気迫るカットイン、緩急をつけた速攻のつなぎでアシストし、
日本のピンチを切り抜けました。
ここで負ければこの日に北京への夢が絶たれる重要な一戦だっただけに、
バウワー監督も胸をなで下ろした様子。
そして、続くハンガリー戦の快進撃を期待しましたが、
翌日は相手の巧技を受けに回ってしまい、
残念ながら破れてしまいました。
日本の北京オリンピックへの挑戦はここで終わりです。
しかし、選手の多くは「やりきった」と言葉を返してくれました。
いまある力を出し切った結果が今回の1勝2敗。
これは、認めざる得ません。
選手個人的にはいろんな反省があるでしょうが、
チームとして直前の組み分け変更や、
1月に急きょ行なわれた「再予選」など
激動の数ヶ月をよく戦ったと思います。
そしてバウワー監督のもと2年10ヵ月、着実にレベルをあげ、
ヨーロッパ勢との戦い方を身につけたと思います。
代表は結果がすべてですが、
それでも日本ハンドボール界の挑戦はこれからもずっと続いていくのです。
今回の敗戦もまた、大きなステップになることでしょう。
そして、そうしなければいけないのです。
今回を経験した、中堅や若手といわれる藤井、東濱、植垣には
もちろん次回への期待が高まります。
そして、今回代表に選ばれなかった実力のある若手はたくさんいます。
大学生、高校生と注目の逸材もいます。
まだ、今後の見通しはまったく立っていませんが、
これから、どういうプランでオリンピックをめざすのか、
注目し続けたいところです。
北京オリンピック予選を戦い抜いた選手たち、
本当にお疲れ様でした。


カテゴリー: 日本代表
▶コメント » 0

コメント