2018年12月28日
12月23日に開幕した第27回JOCジュニアオリンピックカップが27日、大会最終日を迎え、男女の決勝戦が埼玉・サイデン化学アリーナで行なわれました。
女子は優勝候補・沖縄を鉄壁の守りで封じた愛知が6年ぶりに、男子は富山との大接戦を制した沖縄が7年ぶりに優勝を飾りました。
男女の決勝戦の結果は以下のとおり。
【女子決勝】
愛知 14(5-4、9-6)10 沖縄
※愛知は6年ぶり2回目の優勝
【男子決勝】
沖縄 28(9-11、14-12、3-1、2-3)27 富山
※沖縄は7年ぶり7回目の優勝
先に行なわれた女子決勝(愛知-沖縄)は固いDFと好GKを武器に勝ち上がってきたチームの対戦になりましたが、DFシステムは対照的。愛知は高さのある6:0DF、対する沖縄は機動力を活かした3:3DFをメインに戦ってきました。
緊張からか、なかなかボールが手につかなかった両チーム。愛知が5-4とリードして前半を終えます。後半立ち上がり、先行する愛知は池のサイド、大矢のカットインで2連取して3点リードを奪うと、GK榎本を中心としたDFで試合を優位に運びました。OFでボールを失っても素早いバックチェックで沖縄の得意の速攻を封じるなど終始ペースを握ります。沖縄は上間のスカイプレーなどで盛り返し、DFではマン・ツー・マンDFを仕掛け最後まで諦めない姿勢を見せましたが、流れを引き寄せられず。水谷らにマン・ツー・マンDFをつけられても安達、原田らが強気に攻めた愛知が14-10で制し、2度目の頂点に立ちました。
男子決勝は、盤石の戦いぶりで勝ち上がってきた沖縄と、予選リーグから接戦をものにしてきた富山が顔を合わせました。
両チームの主軸となる神森中(沖縄)と氷見北部中(富山)は春中(春の全国中学生選手権大会)、全中(全国中学校大会)で2度戦っており、いずれも神森中が勝利していました。
リベンジに燃える富山は開始からエンジン全開。エース鎌仲(大)の鋭いミドルシュートを中心に鎌仲(奏)、左腕・加納らで沖縄DFを突破します。11-9で前半をリードした富山は後半開始早々にも澤井の得点で3点差に。しかし、沖縄はここから5:1DFから6:0DFにシフトチェンジして追い上げを図ります。3点ビハインド(15-18)の14分から得意の守って速攻が機能。照屋(慶)の得点を皮切りに金城のスピンシュート、下地の速攻で同点に追いつくと、相手のOFミスを見逃さず根間が速攻に持ち込み19-18と形勢を入れ替え、残り5分22-19とします。あとがない富山でしたが、ここで守護神・松下がノーマークシュートを次々に跳ね返し踏みとどまります。守ったあとは鎌仲(大)が取り返し、延長戦に持ち込みました。
延長戦ではOFの精度の差が出ました。7人攻撃を2回成功させた沖縄に対して、富山はコンビネーションがわずかに合わずシュートを打てません。延長後半残り1分、親泊のシュートで2点差(28-26)とした沖縄が富山の反撃を1点に抑え、熱戦に終止符を打ちました。
閉会式では個人表彰が発表されました。
注目のオリンピック有望選手には3選手が選出。男子からは沖縄の大黒柱・伊禮、富山のゴールを守ったGK松下、女子からは沖縄の守護神・比嘉が選ばれました。
そのほかの個人表彰は以下のとおり。
【個人表彰】
《男子》
・オリンピック有望選手
伊禮颯雅(沖縄・神森中)
松下幸祐(富山・呉羽中)
・大会最優秀選手
嵩西颯斗(沖縄・神森中)
・有望選手
清黒瞳太(埼玉・三郷北中)
杉本偲哉(富山・西條中)
親泊寛粋(沖縄・神森中)
細野聖太(愛知・藤岡南中)
臼井拓巳(北海道・本通中)
小山内夢琉(北海道・桔梗中)
鎌仲大夢(富山・氷見北部中)
《女子》
・オリンピック有望選手
比嘉楓(沖縄・美東中)
・大会最優秀選手
榎本美佑(愛知・扇台中)
・有望選手
荒井美咲(埼玉・三郷北中)
篠原優和(鹿児島・霧島ク)
高来葵美(石川・芦城中)
紺谷利紗(石川・芦城中)
田代真生(愛知・滝ノ水中)
水谷朱里(愛知・扇台中)
名嘉陽菜(沖縄・美東中)
次回も埼玉が舞台になります。大会の詳細は日本ハンドボール協会ホームページにて。
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