2019年1月11日
ドイツとデンマーク共催の第26回世界男子選手権が1月10日、ついに開幕しました。
ドイツとデンマークそれぞれで開幕戦が行なわれましたが、その2試合のうち、注目を集めたのは間違いなくドイツ-統一コリア戦でしょう。
そのドイツ-統一コリア戦のリポートをフリーライターの服部由紀さんからお届けします。
1月10日、13500人で埋め尽くされたベルリン(ドイツ)のメルセデスベンツ・アリーナで、ハンドボール史上では初の出場となる統一コリア(南北合同)チーム(以下、コリア)と開催国ドイツの開幕戦が昨晩行なわれ、東京オリンピックの出場権をめぐる戦いの火ぶたが切って落とされた。
会場にはコリアの100人ほどの応援団も見られたが、若手主体で臨んだコリアはヨーロッパでも上位に食い込むドイツに力及ばず、19-30で初戦を黒星で終えた。
コリアは、序盤から攻守ともに善戦したものの、前半11分に金東明がステファン・ファスへの危険なプレーで一発レッドカードを受けると、試合の流れは一気にドイツに傾き、17-10とドイツリードで前半を終了した。
続く後半も退場がかさみ、数的不利な状態でドイツの好DFを崩す術がなかったコリアは、立ち上がりに連続4失点を許したあとも、試合終了まで点差を縮めることができなかった。一方、ドイツは後半メンバーを大きく代えるなどの余裕を見せ、試合は30-19でドイツの勝利に終わった。
「結果的にはドイツに何歩も及ばなかったが、満員の観衆が集まる開催国と合同チームで戦えたことを本当にうれしく思う」と、敗れはしたものの、試合後のキャプテン鄭秀泳(韓国)の表情は明るく、北朝鮮出身の李京宋が後半ゴールを決めるシーンも見られ、今後の活躍が期待される。