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2019年11月25日

JAPAN CUP第3戦・日本vsブラジル戦レビュー

JAPAN CUP2019・女子は24日に大会3日目(最終日)が東京・代々木競技場で行なわれ、日本女子代表・おりひめジャパンがブラジル代表と対戦しました。

両チームともにここまで2試合を戦い、未勝利という状況。どちらが世界選手権に弾みをつける勝利を手にするかに注目が集まりました。

日本は前日のフランス戦からメンバーを入れ替え、ディフェンスリーダーの永田(し)、ベテランの石立、右サイドの秋山らがベンチアウト。代わりにヒザの故障から戦列に戻ってきた池原、追加招集の堀川、石井、大学生・中山らがベンチに入りました。永田(し)不在ということもあり、中央DFのコンビは塩田、永田(美)。

試合は序盤からブラジルに主導権を握られます。日本は左右の大きな展開から佐々木らがゴールを決めますが、息つく間もなく攻め込んでくるブラジルのクイックスタートに手を焼き、得点してもすぐに失点するなど、いい流れを作れません。セットDFでも体格に優れたポスト・アラウージョを守れず、簡単にゴールを許してしまいます。大きな連続失点こそなかったものの、2連打を5度も許した日本は14-18で前半を終えました。

ライン際で力強いプレーを見せたブラジル・アラウージョ

ライン際で力強いプレーを見せたブラジル・アラウージョ

 

後半に入ると日本はGKを亀谷から板野にスイッチ。板野がいきなりサイドシュート、ミドルシュートを連続セーブし、反撃ムードが漂いましたが、高さ、強さがあるブラジルDFの前に攻撃陣が打開策を見出せません。ポストを使おうとしてもパスをカットされたりとテンポが上がらず、後半10分から約11分間のエアポケットに陥り、その間に5連続失点をあびて17-27と10点差をつけられました。ここから大山らで5本のシュートを決めましたが、22-28で試合終了。この結果1分2敗で今大会を終えました。

ブラジルDFの間を果敢に狙い7mTを獲得した日本・石井

ブラジルDFの間を果敢に狙い7mTを獲得した日本・石井

 

世界選手権前の貴重な実戦の場で、勝利という結果は得られませんでしたが、キルケリー監督はキャプテンの原、司令塔・横嶋を直前のケガで大会のメンバーから外すことになった状況を考慮し「選手たちのパフォーマンスには非常に満足している。3つの強豪国と対戦できたことはとてもありがたい。3試合、いずれもいい時間帯があった。試合のどこが次につながるのか考え、(熊本世界選手権では)この大会と同じように戦っていきたい」と総括しました。 日本はこのあと、熊本へ移動し、30日に世界選手権初戦(対アルゼンチン)に臨みます。

また、優勝決定戦となったフランス-スロベニアのカードは、堅守で相手を封じたフランスが33-21の快勝を収め、3連勝で優勝を飾りました。この結果、最終順位はフランス、スロベニア、ブラジル、日本となりました。

 

▽JAPAN CUP 2019・女子

ブラジル 28(18-14、10-8)22 日本
【得点者】5点:河田、3点:佐々木、2点:永田(美)、角南(唯)、田邉、大山、中山、1点:角南(果)、藤田、勝連、池原

 

フランス 33(15-9、18-12)21 スロベニア

 

以下、日本選手の採点・寸評です。

 

【選手採点・寸評】
※背番号、名前(ポジション)、採点(5点満点)、寸評の順

 

No.2 永田美香(PV) 2
速攻によく走り2得点はよかったが、相手のポストとのマッチアップでは後手に回ってしまった。

 

No.3 角南果帆(PV) 2
持ち味のハードワークはこの試合でも出ていたが、もう少しOFでの絡みがほしい。

 

No.4 角南唯(BP) 2
2年前の前回大会で猛威をふるったカットインが封じられ、攻撃のリズムを作れず。

 

No.5 塩田沙代(LB) 3
ゲームキャプテン、中央のDFを担った。前半の18失点から立て直し、後半は失点を半分近く減らしたのは評価点。

 

No.6 石井優花(BP) 2
今大会初のベンチ入り。無得点に終わったものの、臆せず中央を突破し、7mTを獲得した。

 

No.7 藤田明日香(RW) 2
この2試合のようなインパクトを残せず。速攻などのノーマークのチャンスは確実に沈めたい。

 

No.11 堀川真奈(PV) 2
ケガによる原の離脱で大会直前に追加招集され、この試合が初出場。出場時間が限られていたこともあり、めだった活躍は残せず。

 

No.12 板野陽(GK) 4
後半からコートに立ち、いきなりサイド、ミドルを連続セーブ。7分には転がるボールをゴールライン上でかき出すスーパープレーを見せた。

 

No.13 勝連智恵(LW) 2
フランス戦のようなコンビネーションプレーこそ見られなかったが、冷静にループシュートを沈めた。

 

No.18 田邉夕貴(LW) 3
攻守ともに大きなミスもなくそつなくこなした。サイドシュートを2本ともに決め切ったのは高評価。

 

No.21 池原綾香(RW) 2
ヒザの大ケガからカムバック。出場時間は短かったが、これから調子を上げていけるか。

 

No.25 大山真奈(BP) 2

これまでどおり周囲を使いながら自らもシュートを放ったが、やや精度を欠いた印象。複数回ポストパスをカットされ、そのまま速攻に走られた点は修正したい。 

No.27 佐々木春乃(BP) 3
立ち上がりのステップシュートはコーナーギリギリのいいコースに放った。カットインで7mT獲得と、外側への攻撃が見られた。

 

No.30 亀谷さくら(GK) 2
DF陣が押し込まれる展開が続き、なかなかブラジルのシュートタイミングに合わなかった。

 

No.36 中山佳穂(BP) 3
得意のロングシュートを2本突き刺すなど大型選手の上からでも打ち抜けることを示した。

 

No.41 河田知美(BP) 3
7mTを6本放ち、5本ゲット。原不在を感じさせなかった。あとはセットOF時の連携を高めて得点チャンスを作りたい。


カテゴリー: 日本代表
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